2014-01-01から1年間の記事一覧

シンガポール通信−サッカー日本・ブラジル戦観戦

14日にシンガポールにおいてサッカーの日本対ブラジル戦が行われ、観戦する機会があった。日本のプロ野球(私は阪神ファン)の様子や大リーグでの日本選手の活躍には大変興味があり、ネットで常にニュースに目を通しているが、サッカーにはそれほど関心は…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」3

前回書いたように、金子常規氏の「兵器と戦術の日本史」は一般の日本人の歴史観を変えてくれるという意味で、大変興味深い著書である。私たちは日本の歴史に関して、卑弥呼の邪馬台国の昔から、日本という国の歴史を日本列島を誰が統一するかという観点から…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」2

この本の書評を書き始めながらしばらく他の話題のために放置していたので、久しぶりのこの本のことを書きたい。著者の金子常規氏は、1916年に生まれ2000年に84歳で他界されている。旧陸軍士官学校卒で戦後自衛隊に入隊し、幹部学校戦術教官・特科…

シンガポール通信−エンタテインメント国際会議参加

エンタテインメント技術に関する国際会議であるICEC2014(International Conference on Entertainment Computing)に参加して来た。本会議は2002年に私と知り合いの研究者が中心となって立ち上げたもので、すでに10年以上の歴史がある。毎年、欧州・アジア…

シンガポール通信−土井たか子氏の死去に思う

土井たか子氏が9月20日に死去された。1928年生まれであるから85歳である。死因は肺炎とのことであるが、高齢の方の多くが肺炎という形で死去されるのを見ていると、老衰の結果風邪などのちょっとした病気から肺炎になりやすく、その結果死に至ると…

シンガポール通信−御嶽山噴火における「心肺停止状態」という表現は正しいのか

御嶽山が突然噴火したというニュースが飛び込んで来た。以下Wikipediaなどからの情報であるが、御嶽山とは何かをまとめておこう。御嶽山は長野県と岐阜県の県境に位置する標高3067mの火山である。かっては死火山もしくは休火山と考えられていたが、19…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」:まえおき

最近、歴史それも世界史に大変興味をもつようになった。それはイアン・モリス著「人類5万年 文明の興亡」などの本を読んでからである。特にイアン・モリスのこの本は、副題として「なぜ西洋が世界を支配しているか」という刺激的なタイトルが付いているため…

シンガポール通信−F1の将来 3

さてそれではなぜF1(およびその他のモータースポーツの多く)が自動運転に適しているかを考えてみよう。それには幾つかの理由がある。まず1つは、レースの行われるサーキットが決まっており、その情報を事前に自動運転車のコンピュータに登録しておき、そ…

シンガポール通信−F1の将来:2

もう一つF1の将来に関して私が興味深く思っているのは、いつの時点で人間のレーサーによって運転されるレーシングカーと自動運転によるレーシングカーの競争が見られるだろうということである。いやもっというと、どの時点で自動運転によるレーシングカーが…

シンガポール通信−F1の将来

シンガポールF1を観戦していて、ふとF1の将来はどうなるのだろうという考えが頭をよぎった。もちろんF1のファンであれば、眼前で繰り広げられているレースの観戦に夢中で、このような考えが浮かぶこともないだろう。しかし格別F1のファンでもない私だか…

シンガポール通信−シンガポールF1

シンガポールF1が9月19日〜21日の間行われている。そのうち20日の予選を観戦して来た。シンガポールF1は2008年から行われており、世界唯一の夜間に行われるレースとしてよく知られている。F1の開催期間中はシンガポール観光もかねて日本からの観…

シンガポール通信−ソニーのヘッドマウントディスプレイ

幕張メッセで開催中のゲーム展示会「東京ゲームショウ」で、ソニーがプレイステーション用のヘッドマウントディスプレイ「プロジェクト・モーフィアス」を発表したというニュースが出ている。ソニーは以前から、ゲームをしたりテレビを視聴する場合に臨場感…

シンガポール通信−iPhone6とApple Watchは革新的かそれとも魅力的か?

アップルのiPhone 6が9月9日に発表になった。機能に関しては特段新しいものはない。前回のiPhone 5の際は、指紋認証が新しい技術の目玉として搭載されていたが、今回はそれに類するような新技術は搭載されてはいない。いってみれば、iPhone 6はiPhone 5に…

シンガポール通信−朝日新聞の誤報はなぜ生じたか? 3

朝日新聞において慰安婦強制連行の記事が作成され新聞上で発表され、それが世の中に受け入れられて行った過程を振り返って見ると、STAP細胞の報道の場合と極めて良く似ていることに驚かされる。朝日新聞の慰安婦強制連行の記事は、よく知られているように元…

シンガポール通信−朝日新聞の誤報はなぜ生じたか? 2

朝日新聞の慰安婦強制連行記事の取り消しと社長の謝罪と同時に、朝日新聞はもう一つ記事の取り消しとそれに伴う社長の謝罪を行っている。それは東北大震災に伴う福島の原発の事故直後の状況について、福島第一原子力発電所の吉田昌郎所長が事故後の調査に応…

シンガポール通信−朝日新聞の誤報はなぜ生じたか?

朝日新聞がこれまで報道して来た記事内容の幾つかに誤報があったとして、その取り消しや謝罪を行ったことが話題になっている。朝日新聞はそこに掲載された記事に対しては、これまで高い信頼性を誇ってきた。またそのコラムである「天声人語」は、日本を代表…

シンガポール通信−「iPS世界初の移植成功」は快挙か?

今朝の新聞に、理化学研究所がiPS細胞の移植に成功したとの記事が載っている。より具体的には、目の難病患者を対象として、患者の皮膚からiPS細胞を使って網膜細胞に育て移植手術を行い、成功したというニュースである。iPS細胞の作成は理研の高橋政代プロジ…

シンガポール通信- Ikkan Art Galleryでの展示2

さていよいよ土佐尚子の新作のビデオアートの展示の初日のオープニングパーティの日である。ギャラリーは港湾地域の倉庫の一部を改造したものである。同様のギャラリーが幾つも集まっている地域にあるとはいえ、交通の便が必ずしも良くないので、どの程度の…

シンガポール通信−Ikkan Art Galleryでの展示

私のパートナーの土佐尚子のビデオアートの新作の個展が、9月5日より2ヶ月間シンガポールのIkkan Art Galleryで行われる事になった。昨年同じくシンガポールのArtScience Museumで行われた彼女の「サウンドオブ生け花(Sound of Ikebana)」というビデオ…

シンガポール通信−8月はあわただしく終ってしまった

久しぶりにブログを書こうとして読み返してみると、8月はほとんどブログを書かずに終ってしまった事に気がついた。このブログでも書いたが東京に会社を立ち上げ、南青山に小さなオフィスを開設したのに随分と時間を取られたためである。ビジネスパートナー…

シンガポール通信−プレッシャーに押しつぶされた偶像:理研笹井氏の死に思う 5

いろいろとかってな事を書いて来たので、理研笹井氏の死に関してはこの辺りで打ち止めにしたいけれども、最後に彼の自殺という行為に関して考えてみよう。笹井氏の自殺は、STAP細胞発見のニュースがノーベル賞クラスの成果として日本国内で熱狂的に迎えられ…

シンガポール通信−プレッシャーに押しつぶされた偶像:理研笹井氏の死に思う 4

当時私はシンガポールにいたので、この日本中を巻き込んだかのような熱狂を少し冷めた目で見る事が出来た。そのため、胡散臭いとは言わないまでも、何か納得できないものをこの研究成果の発表から感じた。具体的に言えばそれはこういう事である。もし弱酸性…

シンガポール通信−プレッシャーに押しつぶされた偶像:理研笹井氏の死に思う 3

笹井氏は、小保方氏からのSTAP細胞作成成功の報告とその裏付けとなるデータを提供されて、優秀な部下として信頼している彼女が実際にSTAP細胞作成に成功した事を確信した。その作成の容易さから、iPS細胞をしのぐ可能性のある再生医療における大発見である。…

シンガポール通信−プレッシャーに押しつぶされた偶像:理研笹井氏の死に思う 2

小保方氏が笹井氏に持って来たSTAP細胞作成成功のデータは、再生医療で世界的のトップの一人と認められている研究者である笹井氏が見ても、納得できるデータだったのだろう。したがって笹井氏はデータのみから、STAP細胞作成成功を確信したのであろう。それ…

シンガポール通信−プレッシャーに押しつぶされた偶像:理研笹井氏の死に思う

8月4日に、STAP細胞問題の中心人物である理研の笹井芳樹氏が自殺したというニュースが飛び込んで来た。私の方はちょうど今度立ち上げた会社のオフィスの整備で8月4日〜6日と東京にいたが、オフィス家具の搬入と設置、電話とインターネットの開設などで…

シンガポール通信−シンガポール独立記念日(Singapore National Day)式典

シンガポール独立記念日の式典に参加して来た。とは言ってもそのリハーサルであるが、本番とほとんど同じスケジュールで行われる。本番と異なるのは、首相・大統領などのVIPを本人ではなくて代役が務めるというだけであって、その他は本番と全く同じ内容であ…

シンガポール通信−ウィリアム・マクニール「戦争の世界史」3

さてそれでは、「戦争の世界史」において東洋(中国)が西洋に比較して軍事の上で優位に立っていたとする西暦1000年〜1500年はどのような時代か。それは中国では、宋(960年〜1279年)、元(1271年〜1368年)、および明(1368年…

シンガポール通信−ウイリアム・マクニール「戦争の世界史」2

ウイリアム・マクニール「戦争の世界史」において、1000年(11世紀初頭)から1500年(15世紀終わり)にかけて、中国が西洋に対して優位に立っていたことが述べられている。これはもちろん軍事面に焦点をあてているのであるが、当然の事ではある…

シンガポール通信−ウイリアム・マクニール「戦争の世界史」

このところ、西洋と東洋の歴史の比較、特に歴史の流れの中で西洋と東洋のいずれが優位にあったかに興味を持っており、それに関連する本を見つけては読んでいる。これまで読んだ主な本としては以下のようなものがある。ジャレド・ダイヤモンド「銃・鉄・病原…

シンガポール通信−マレーシア機撃墜される2

今回のマレーシア航空機が撃墜された事件に関して最も痛切に思うのはやはり、私達はいまだに争いの絶えない世界に住んでいるのだという事である。ソ連邦の崩壊とそれに伴う冷戦の表向きの終了により、私達は地球上での戦争という出来事があたかも終わったか…