シンガポール通信−シンガポール独立記念日(Singapore National Day)式典

シンガポール独立記念日の式典に参加して来た。とは言ってもそのリハーサルであるが、本番とほとんど同じスケジュールで行われる。本番と異なるのは、首相・大統領などのVIPを本人ではなくて代役が務めるというだけであって、その他は本番と全く同じ内容である。

シンガポール独立記念日式典は、シンガポールにおいては毎年最も重要なイベントである。マリーナベイサンズにある数万人は入ろうかという会場は、リハーサルとはいっても立錐の余地のない盛況である。というより本番に参加できるのはシンガポール人全体のほんの一部であろうから、多くの人にとってリハーサルに参加することは本番に参加したのと同様の気持ちになれる貴重なチャンスなのだろう。



リハーサルの開始直前、6時過ぎなのでまだ辺りは明るい。バックはマリーナベイサンズのホテル、アートサイエンスミュージアムという、シンガポールベイエリアのおなじみの風景。



最初は陸軍、海軍、空軍、さらには警察や民間団体のパレード。単なる軍事パレードではなくて、シンガポールの民間団体も含まれている事が興味深い。シンガポール全体としての統一性を出したいのだろう。



小規模ながら軍事パレードもある。もちろん小国なので中国、北朝鮮などの軍事国家とは比較にならない規模ではあるが。一応対空ミサイルも保有している。



そして常に協調されるのは「One people, one nation, one Singapore」というフレーズである。多くの民族の集合体であるシンガポールでは、国民の一体感を醸成することが重要なのであろう。



そして軍事パレードの背景に一般市民の日常生活の映像が挿入されたりする。これも軍と一般市民の距離を縮める事を意図しているのであろう。



軍事パレードの終わりにヘリコプターが大きなシンガポール国旗を携行しながら登場する。



軍事パレードが終わった所で一斉に花火が打ち上げられ、ショーイベントに移行する。



各国の、軍事パレードはその国の軍の偉容を誇示する事を目的としているから、軍事パレードだけで完結しているのが通常ではあるまいか。軍事パレードとショーが同居するイベントというのも、特殊であって、シンガポールならではのものではあるまいか。



ショーでもいろいろな文化背景を持った国民の異なる日常生活がスクリーンに映し出される。ここでもシンガポール国民を構成している種々の民族の統一感を出す事を狙っているのだろう。




そして花火が一斉に打ち上げられてフィナーレを迎える。