2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

シンガポール通信ー女性登山家河野千鶴子さんの遭難に思う

三浦雄一郎氏の80歳という世界最高齢でのエレベスト登頂成功の陰に隠れてあまり話題になっていないが、66歳の女性登山家河野千鶴子さんが世界第7位の高峰ダウラギリ(8167メートル)に登頂を試みている間に疲労・体力消耗により亡くなったという記…

シンガポール通信ー橋下徹氏発言顛末

橋下徹氏が従軍慰安婦問題に関する自らの発言が海外から大きな批判を受けたのに対して、自らの発言の真意を説明するために、内外の記者を対象とした記者会見を開いた。すでに彼の発言によって、国内でも彼に対する批判が高まり、彼が代表者の維新の会の支持…

シンガポール通信—三浦雄一郎氏の最高齢エレベスト登山は偉業か

プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が、80歳という高齢でエレベスト登山に成功した。世界最高齢のエレベスト登山成功だとの事である。新聞などのメディアでは、三浦氏をたたえる記事があふれている。いずれも、80歳という高齢で自分の体力の限界に挑みそれを…

シンガポール通信ー村上春樹とコミュニケーションメディア

村上春樹について一つ書き残した事がある。それは彼が、最近のコミュニケーションメディア(長いので以下単にメディアと言う事にする)を彼の小説の中でどのように取り扱っているかという事である。最近のメディアというのは、デバイスとしては携帯電話(そ…

シンガポール通信ー橋下発言はなぜ海外から非難されるのか2

日本維新の会の橋下徹代表の発言が海外で非難を浴びているもう一つの点として、彼が「建前を論じても仕方がない、本音で発言しましょう」という言い方をする点がある。本音を発露する事を良しとし、建前で論じる事を否とは言わないまでもなんだかうさん臭い…

シンガポール通信ー橋下発言はなぜ海外から非難されるのか

日本維新の会の橋下徹代表の旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する発言が、内外から非難を浴びている。特に海外から、「言語道断」などの非難をあびている。本人も少し低姿勢になって来たようであるが、基本的な主張そのものは変えていない。彼の発言さらには態…

シンガポール通信ーエンタテインメント・コンピューティング専門委員会の会合

パリでのイベントのうち、書き残した事としてエンタテインメント・コンピューティングに関する技術委員会の会合があったので、簡単に報告しておきたい。前にもこのブログで書いたけれども、この技術委員会はIFIP(International Federation on Information Pr…

シンガポール通信ー村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」:灰田と緑川

つくると灰田がホモセクシャルな関係にある事は、現実の出来事としては描写されていないが、それを暗示するような出来事が描かれている。それは、つくるが見た夢—いつものようにシロ・クロとセックスをする夢—である、最後に灰田がつくるの精液を飲み干すと…

シンガポール通信―村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」:超自然現象

それでは、超自然現象とでも言ったものがこの小説でまったく描かれていないかと言うと、そのような事はない。たとえば主人公の多崎つくるは、不思議な夢を時々見る。その代表的なものは、彼が「シロ」と「クロ」と一緒に寝てセックスをするという夢である。…

シンガポール通信—村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」4

小説としてはうまくまとまっているといえる「色彩を持たない・・」に対して、なぜ私は不満を感じるのだろうか。今回はそれについて考えてみよう。私が不満を感じるのは、この小説が「普通の小説」になっているからではあるまいか。いいかえると、純文学風に…

シンガポール通信ー村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」3

そして多崎つくるが大学を卒業して十数年。彼は現在鉄道関係の会社に勤務しており、高校時代からの希望通り駅舎を設計・メンテナンスする仕事に従事している。その意味では仕事には満足している。また2歳年上の木元沙羅という恋人がいる(彼女も色彩を持た…

シンガポール通信ー村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」2

多崎つくるが東京の大学に進学してからも、強い絆で結ばれた5人のグループは存続したのだが、彼が大学2年の夏に帰郷した際に事態が一変する。それは、彼がグループの残りの4人に連絡しようとしても、まったく出来ないという事態として始まる。彼らの家に…

シンガポール通信ー村上春樹「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」

村上春樹の最新作である「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」は、日本ではなかなかの評判で発売後一週間で100万部を突破したとの事である。私も数週間前帰国した際に何軒かの書店を回ってみたが、いずれも売り切れであった。これはシンガポールで…

シンガポール通信ーパリにて2

今回のパリ行きの目的の一つは、Springer出版の関係者と会って私と土佐さんが出版予定の本に関して打ち合わせを行う事である。打ち合わせの相手は、私たちの本の編集者となるProf. Ernest EdmondsとSpringer出版のMs. Helen Desmondである。彼等がCHI (Compu…

シンガポール通信ーパリにて

現在パリに滞在中である。今回のパリ訪問の大きな目的は2つある。一つはオーム社から出版した私の本「技術が変えるコミュニケーションの未来」の英訳をSpringer出版社から出版するための交渉を行う事であり、もう1つはIFIP (International Federation on I…