2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

シンガポール通信ーマイクロソフトワークショップ「eHeritage」

台北で行われたマイクロソフト主催のワークショップ「eHeritage」に招待され出席して来たのでその簡単な報告。eHeritageは名前からも推定されるように、文化遺産とITの関係を論じるワークショップである。例えば現在残っている文化遺産(ピラミッド、大仏、…

シンガポール通信ー台北訪問

先週マイクロソフトが主催するワークショップに参加のため台北を訪問したのでその印象を。ワークショップはeHeritafeと名付けられ、歴史的遺産をITを使って保存したり再現したりする技術に関する議論を行う場であり、これについては別に報告したい。台湾は過…

シンガポール通信ーダン・シモンズ「イリアム」2

ダン・シモンズが彼のSF「イリアム」において、ホメロスの「イリアス」の主要部分を小説の中に取り込み、全体としてのストーリーの迫力・緊迫感を上げている事に成功している事を述べた。しかしながら、いかにイリアスが優れた叙事詩であっても、それを単に…

シンガポール通信ーダン・シモンズ「イリアム」

ダン・シモンズは私の好きなSF作家である。ダン・シモンズの「イリアム」は文庫本で上下合わせて1300ページを越える大作であるが、週末に一気に読み終えた。イリアムはトロイの別名。このタイトルからもわかるように、トロイ戦争をSFの題材にしている。もっ…

シンガポール通信ー中川副大臣との昼食会

先週5月5日に中川文部科学省副大臣がシンガポールを訪問された際、開催された昼食会・意見交換会に招待されたので参加して来た。今回の副大臣の訪問は政府の「東アジア共同体構想」の一環として、それを科学技術の面で具体化するための「アジア・リサーチ・…

シンガポール通信ー映画の発明の位置付け

前回のブログで、電話の発明がコミュニケーション技術の歴史の中で極めて大きな意味を持つ事を指摘した。実はもう1つコミュニケーションの歴史の中で大きな意味を持つ発明がある。それは映画の発明である。映画は19世紀後半に発明された。それが電話とほぼ…

シンガポール通信ーコメントに対する回答

前回の私のブログ「電話は古いメディアか?」に対して以下のコメントを頂きました。「電話以外文字を扱う物なのに、黒電話と携帯電話が違う物として扱われている論拠を、御示し下さい」大変重要なご指摘です。私自身もブログの書き方が少し舌足らずであった…

シンガポール通信ー電話は古いメディアか2

電話の発明は印刷術の発明と比較してどのような意味を持っているのだろう。私の考えを先に言っておこう。電話の発明は、印刷術の発明によって打ち立てられた西欧における理性の感性に対する優位性を打ち破る、もしくは逆転させる意味を持っていると私は思っ…

シンガポール通信ー電話は古いメディアか?

携帯メール、ブログ、SNS、ツイッタ—等のコミュニケーション手段があらわれ、人びとがそれらを使ったコミュニケーションに興じている現在においては、電話はすでに古いメディアになってしまったのだろうか。今日は電話というメディアの位置付けについて考え…

シンガポール通信ーグーグルは有益か

前回に引き続き、グーグルが提供しているいくつかのサービスについて、それが本当に便利で有益なものかどうかを考えてみよう。グーグルのサービスを賛美した発言は山ほどあるので、辛めの書き方をする事を了承して頂きたい。 <グーグルサーチ> グーグルの…

シンガポール通信ーフラット化する社会2

前回の続きとして、世界のフラット化にグーグルが果たした役割、その功罪について考えてみよう。なんと言ってもグーグルの貢献の第一は、それまでの私たちの日常の行為の中で大きな位置を占めていた情報の保存と記憶という部分を、ネットワーク上に出す事(…

シンガポール通信ーフラット化する社会

現在トーマス・フリードマンの「フラット化する社会」を読んでいる。読後感等は読み終わってから書く予定であるが、とりあえず現時点での感想などを記しておきたい。原題は「The World is Flat」、そう既に社会はそして世界はフラット化していると著者は言い…