2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

シンガポール通信−ジャレド・ダイヤモンド「昨日までの世界」4

ジャレド・ダイヤモンドの「昨日までの世界」は、「銃・鉄・病原菌」や「文明崩壊」などのように著者の新しい歴史観を提示して読者をわくわくさせてくれる部分は少ない。しかしその反面、著者がその豊富な知識と深い洞察によって太古の昔の人々の暮らしと現…

シンガポール通信−ジャレド・ダイヤモンド「昨日までの世界」3

それでは、まだ国家が存在しなかった太古の昔の社会にすんでいた人々の生活と、国家が科学技術の成果としての豊かな生活とそしてそれに伴う種々の制約を与える社会に生きている私たちの生活において、何が共通点で何が相違点だろうか。この著書で著者のジャ…

シンガポール通信−ジャレド・ダイヤモンド「昨日までの世界」2

本書でジャレド・ダイヤモンドが行っているのは、世界が国家から形成されている現代社会と、太古の昔のまだ国家という概念がなく人々がグループ単位で生活していた部族社会における人々の生き方の比較である。別の言い方をすると、現代人の生活と太古の昔の…

シンガポール通信−ジャレド・ダイヤモンド「昨日までの世界」

ジャレド・ダイヤモンドは1937年ボストン生まれの人類学者で、現在はUCLA地理学教授である。長年ニューギニアを中心に、太古の昔から変わらぬ暮らしを続けて来ている原住民の生活を彼らと一緒に暮らしながら観察・研究して来た。普通の大学教授ならば、…

シンガポール通信−楽天社員のTOEICが平均255点アップは本当か?

10月18日の日経オンライン版のビジネスリーダー欄のニュースに、「楽天の英語勉強法 TOEIC平均255点アップ」という記事が出ている。大変興味深いので、これをネタにいろいろ考えてみよう。楽天は2010年に三木谷浩史社長の肝いりで社内公用語英語…

シンガポール通信−モーニング連載コミック 東山アキコ「メロポンだし!」終了

週間コミック雑誌「モーニング」に連載中の、東村アキコ氏の「メロポンだし」が終了した。「モーニング」は、かっては王欣太氏の「蒼天航路」、井上雄彦氏の「バガボンド」、かわぐちかいじ氏の「ジパング」、弘兼憲史氏の「島耕作シリーズ」など有名漫画家…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」4

倭国と新羅との朝鮮半島支配をかけた戦いと白村江での敗戦による倭国の朝鮮からの撤退、そして豊臣秀吉の朝鮮出兵と撤退という二つの歴史的な事実は幾つかの共通点を持っている。一つはいずれの戦いも陸軍による戦いでは日本側が有利もしくは対等の戦いを続…

シンガポール通信−サッカー日本・ブラジル戦観戦

14日にシンガポールにおいてサッカーの日本対ブラジル戦が行われ、観戦する機会があった。日本のプロ野球(私は阪神ファン)の様子や大リーグでの日本選手の活躍には大変興味があり、ネットで常にニュースに目を通しているが、サッカーにはそれほど関心は…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」3

前回書いたように、金子常規氏の「兵器と戦術の日本史」は一般の日本人の歴史観を変えてくれるという意味で、大変興味深い著書である。私たちは日本の歴史に関して、卑弥呼の邪馬台国の昔から、日本という国の歴史を日本列島を誰が統一するかという観点から…

シンガポール通信−金子常規「兵器と戦術の日本史」2

この本の書評を書き始めながらしばらく他の話題のために放置していたので、久しぶりのこの本のことを書きたい。著者の金子常規氏は、1916年に生まれ2000年に84歳で他界されている。旧陸軍士官学校卒で戦後自衛隊に入隊し、幹部学校戦術教官・特科…

シンガポール通信−エンタテインメント国際会議参加

エンタテインメント技術に関する国際会議であるICEC2014(International Conference on Entertainment Computing)に参加して来た。本会議は2002年に私と知り合いの研究者が中心となって立ち上げたもので、すでに10年以上の歴史がある。毎年、欧州・アジア…