2010-01-01から1年間の記事一覧

シンガポール通信ーゲイラン訪問

音声処理技術関係の国際会議がシンガポールで開催されるため、NTT時代の同僚が二人国際会議参加のためシンガポールに来るというメールをもらった。NTT時代に一緒に仕事をした仲間達である。といっても、もう二人ともNTTは退職して大学の先生をしている。一人…

シンガポール通信ーオランダ、アイントホーベン訪問記2

さて到着した翌日は学位審査会である。いわゆるディフェンスと呼ばれているシステムで、博士候補者が提出した博士論文の概要を説明し、審査委員がそれに対して種々の質問をした後、候補者に博士号を授与する事の正否を決定する。審査委員会は主査(通常は博…

シンガポール通信ーオランダ、アイントホーベン訪問記

先週オランダ、アイントホーベン(Eindhoven)を2日間と駆け足だけれども訪問した。アイントホーベンは、オランダ南部の街で人口約80万人。フィリップス社の本社がある事で知られている。同時に、ヨーロッパではトップクラスの工科系大学であるアイントホー…

シンガポール通信ー研究所の改装

私が所長として勤務している研究所(Interactive and Digital Media Institute: IDMI)の改装を行っているので、その紹介をしておこう。以前にもこのブログで書いたが、私の研究所はI3もしくはI-Cubeと呼んでいるビルの2階にある。このビルは建築以来20年…

シンガポール通信ーGlobal Social Innovators Forumの報告4

Global Social Innovators Forum (GSIF)の報告が長々と続いたが、最後に最終日に行われたプレナリーセッションの報告。プレナリーセッションのタイトルは”Imagine the world in 2030”で2030年の世界を予想してみようというものである。講演者は私の他に以下…

シンガポール通信ーGlobal Social Innovators Forumの報告3

2日目はもう1つ別のセミナーに講師として引っ張りだされた。セミナーのタイトルは”Inside A Gamechanger’s Mind!”である。タイトルだけ見ていると、ゲーム制作者に未来のゲームを語ってもらうセミナーのようであるが、そうではなくて、ここでいうゲームは…

Global Social Innovators Forumの報告2

今回のGSIFではいろいろな催しに引っ張りだされたが、前回報告したワークショップの他にいくつかのセミナーに講師として参加した。まず最初のセミナーはCreativity and Innovation for Children using New Mediaをテーマとしたセミナーである。これは、子供…

シンガポール通信ーGlobal Social Innovators Forumの報告

先週末にシンガポールにてGlobal Social Innovators Forum (GSIF)という会合が開催され参加して来たので、その報告。この会合はタイトルを見てもわかる通り、World Economic Forum (WEF)のシンガポール版とでもいったものである。WEFは世界の政治・経済界の…

シンガポール通信ー羽田国際ターミナル

11月末に東京で会議があって数日帰国した。せっかくの機会なので、最近オープンした羽田の国際線ターミナルを利用してみようと思い立った。現在羽田とシンガポールの間は毎日シンガポール航空が2便、日本航空が1便、全日空が1便それぞれ飛行機を飛ばし…

シンガポール通信ー西洋哲学と東洋哲学

前回書いたように、欧米人と東洋人の考え方・行動パターンが本質的に違うのかどうかを調べてみるために、西洋哲学と東洋哲学をざっと勉強してみようと思い立った訳である。西洋哲学と東洋哲学の比較という難しい問題をそう簡単に考えてもらっては困ると、専…

シンガポール通信ー中国哲学を読みながら日本を考える2

前回欧米人の最近の行動が、日本人を含め東洋人に似てきた事を指摘した。そしてその具体例として、時と場合に関わらずメールをする行為が西洋人の間に見かけられるようになった事をあげた。会議やディナーの場でも多くの欧米人がメールを読んだり送ったりし…

シンガポール通信ー国際会議のオーガナイズ

ところで、11月はまだ数回しかブログを更新していない事に気がついた。なぜだろうと考えると、このところ国際会議のオーガナイズでずっと忙しいことがあることに気付いた。現在、来年3月にシンガポールで開催されるIEEE Virtual Reality 2011 (VR 2011)と…

シンガポール通信ー中国哲学を読みながら現代を考える

このところ週末には中国の哲学の古典を読んでいる。孔子、老子、荘子ときて現在は韓非子を読んでいるところである。この間まで西洋哲学を読んでいるといっていたではないか、いつの間に心変わりをしたのだとおしかりを受けそうである。しかしそもそもの発端…

シンガポール通信ーシンガポールの車事情2

少し脱線するが、私は現在大学の家族寮に住んでいる。集合住宅形式で、日本式に言えばアパートもしくはマンションといったところである。私の住んでいるのは2ベッドルーム、書斎、台所、およびリビングから構成される日本式に言うと3DLKであるが、驚いた事…

シンガポール通信ーシンガポールの車事情

このところブログの更新をしていない。来年の3月にシンガポールで行われるバーチャルリアリティに関する国際会議IEEE VR 2011の委員長を引き受けているので、予算案の作成やスポンサーの獲得などの仕事がこの2週間ほど立て込んでいた。その詳しい話はまた…

シンガポール通信ーシンガポール人の気質

シンガポール人の気質と大げさな書き方をしているが、最近私の研究所(IDMI)の若手研究者や学生達と話し合いをした際に私が持った、シンガポール人の気質に関する感想である。先週、私の研究所でInternational Advisory Panel (IAP)という会合を行った。これ…

シンガポール通信ーシンガポールの天候

今日も朝から曇りである。時々断続的に雨がぱらつく。前にも書いたが今年のシンガポールの天候は異常である。昨年までであれば、ほぼ毎日が快晴で抜けるような青空であった。定例行事であるかの様に毎日一度はシャワーが降るが、それも30分もすれば上がって…

シンガポール通信ー尖閣諸島問題2

領土問題が外交上の微妙な問題である事を認識するには、例えば北方領土問題を考えてみるといいだろう。国後、択捉、歯舞、色丹の北方四島を固有の領土であると日本政府は従来から主張してきた。しかしながら敗戦に伴う領土放棄の際に北方四島も当時のソ連の…

シンガポール通信ー尖閣諸島問題

尖閣諸島問題に関してはこのところ少し落ち着いて来たようなので、この機会に少し考えてみよう。尖閣諸島付近で中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に衝突し、漁船の船長を巡視船側が公務執行妨害で逮捕したのは9月7日である。ちょうどその時は私は韓国で…

シンガポール通信ー小沢一郎氏の強制起訴に思う

民主党の元代表小沢一郎氏が、政治資金規正法違反事件で強制起訴を受ける事になった。ネットで見ていても種々の情報が飛び交っているが、全体として眺めていると何か納得の行かないものを感じる。もう既に日本の中では議論されている事なのかもしれないが、…

シンガポール通信ーエンタテインメントコンピューティング国際会議2

写真を中心として、エンタテインメントコンピューティング国際会議(ICEC2010)の紹介をしたい。 会議主催者の韓国KAISTのYang先生。平日はソウルから少し離れているKAISTの近くに住み、週末はソウルでのシティライフを楽しむというしゃれた先生である。 こ…

シンガポール通信ーエンタテインメントコンピューティング国際会議

少し前の話になってしまうが、9月の初めに韓国ソウルで行われたエンタテインメントに関する国際会議であるICEC2010 (International Conference on Entertainment Computing)の報告をしておきたい。ICECは、技術を中心としてエンタテインメントに関する研究…

シンガポール通信ー「脳はいかにして神を見るか」2

変成意識状態とはどのような状態か。著者は超抑制状態と超興奮状態の2つの状態があると説明している。超抑制状態:瞑想に没頭している状態では、自律神経の抑制系が心や体の動きを抑制する方向に働く。しかしながら、抑制系の働きが極端に強まると、脳が異…

シンガポール通信ー「脳はいかにして神を見るか」

瞑想中に神が自分のもとを訪れて神と対話したとか、瞑想していると自分が宇宙と一体になった感覚を感じたなどの話、いわゆる神秘的合一体験は宗教の世界では良く聞くところである。しかしながら通常は、科学の観点からは、このような現象は錯覚などの言葉で…

シンガポール通信ー休みのお詫びと再会のお知らせ

9月はあまりブログの更新が出来なくて申し訳ありませんでした。9月2週目は韓国・ソウルで開催れた国際会議出席のためソウル出張、3週目は中国・天津で開催されたWorld Economic Forum出席のためソウル出張、3週目はオールとラリア・ブリスベンで開催さ…

シンガポール通信ーWorld Economic Forum 3

私の発表の写真がないのは残念であるが、同僚のProf. Adrian Cheokと共に将来のメディアのあり方に関して発表すると共に参加者とのディスカッションを行った。2日目の夕方にバンケットが行われた。 バンケット会場へ向かうバス。少しわかりにくいがパトカー…

シンガポール通信ーWorld Economic Forum 2

会議はテーマごとに多くの分科会にわかれて開催される。これは文化の違いをどう克服するかに関する分科会。分科会は全員参加が基本であり、参加者は意見表明やディスカッション参加が求められる。 これは将来の社会とロボットの関係に関する分科会。左側はア…

シンガポール通信ーWorld Economic Forum 1

先週は韓国ソウルで行われた国際会議、今週は中国天津で行われたWorld Economic Forumに出席していたため、しばらくブログの更新が出来なかった。写真を中心にこれらの会議の様子を報告したい。まずは、World Economic Forum (WEF)から。WEFというと、ダボス…

シンガポール通信ー奥野卓司先生

先週末、奥野卓司先生が息子さんと一緒に私のオフィスを訪問してくださった。奥野先生は関西学院大学時代同僚だったが、それ以上にそれ以前からいろいろとおつきあいさせて頂いて来た。奥野先生は文科系から現在のメディア、メディア社会に切り込んでおられ…

シンガポール通信ーヘーゲル「歴史哲学講義」2

ところでヘーゲルの「歴史哲学講義」そのものは岩波文庫で二分冊の形で手に入るが、大変易しい記述であり、哲学書など読んだ事のない人にとっても取っ付きやすい本である。ある意味で哲学入門書として考えても良いのかもしれない。ただしそれはあくまで、ヘ…