2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

シンガポール通信ーマクルーハンの理論は古いのだろうか2

前回書いたことについて、いくつか説明を加えておこう。口幅ったいようであるが、マクルーハンの主張と私の主張がかなり似ていることに気づかれるのではないだろうか。しかしながら、もし同じことを言っているのなら、私の主張は単にマクルーハンの理論の繰…

シンガポール通信ーマクルーハンの理論は古いのだろうか

さてマクルーハンのメディア論のうち「メディアはメッセージである」や「ホットメディア・クールメディア」に関しては簡単に論じたので、いよいよ現時点でマクルーハンをどう評価すべきかについて考えてみよう。マクルーハンのメディアに関する理論・考察を…

シンガポール通信ーホットメディアとクールメディア:新しい分類法2

さてこの新しい分類法で、もう1つ指摘しておきたいことがある。それはこの没入型メディアか否かという分類法で、電話および会話というメデイアが、その内容がビジネス会話か雑談かで性格が変わってしまうという事実である。多分これは、マクルーハンにとっ…

シンガポール通信ーホットメディアとクールメディア:新しい分類法の提案

前回は、人との関わりを要求するメディアか(クールメディア)否か(ホットメディア)というマクルーハンのメディアの分類学が、現時点で考えるとインタラクティブなメディアか(クールメディア)否か(ホットメディア)という分類と、没入型のメディアか(…

シンガポール通信ーホットメディアとクールメディア2

前回の続きとして議論を進める前に、マクルーハンがホットメディア・クールメディアとしてどのようなものを考えていたかを列挙してみよう。ホットメディア:ラジオ、書籍、映画など クールメディア:テレビ、電話、談話、漫画などさてその上で、前回述べた「…

シンガポール通信ーホットメディアとクールメディア

マクルーハンの言う「メディアはメッセージである」に関連してまだまだ言いたい事はあるのだけれども、とりあえずこれはこれくらいにしておこう。そして、彼のよく知られている言葉である「ホットメディア」と「クールメディア」について少し考えてみよう。…

シンガポール通信ー「メディアはメッセージである」2

マクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉について、引き続き考えてみよう。前回は、この言葉はメディアが持つ特質そのものがメディアが運ぶ情報・コンテンツに影響・制限を与え、結果として中に含まれるコンテンツとは独立して、メディア自…

シンガポール通信ー「メディアはメッセージである」

マクルーハンの有名な言葉の1つに、「メディアはメッセージである」というのがある。これもさんざん議論された言葉だろうから、いまさらこれについてコメントを述べるのもどうかという気もするけれども、私なりの意見を述べておきたい。私は、マクルーハン…

シンガポール通信ーマクルーハン「メディア論」を読み始める

メディアについて語るとき、マクルーハンについて語ることは避けられないだろう。なによりも「メディアはメッセージである」「ホットメディア」「クールメディア」等の斬新な言葉を創りだし、一時期はメディアと未来学を語る寵児としてもてはやされた時代が…

シンガポール通信ー増田直紀「私たちはどうつながっているのか」

この本は中公新書の1冊で、ネットワーク時代の人々のつながり方を、ネットワーク理論、グラフ理論を援用しながら説明したものである。著者の増田氏は1976年生まれであるからまだ30歳台、新進気鋭の研究者と考えられる。複雑ネットワークの研究者であり…

シンガポール通信ー祇園で舞妓遊び

これも先週帰国した際のイベントであるが、祇園の料亭で舞妓さんを呼んで宴会を行った。というと散財したかのように聞こえるが、最近は料亭もカジュアルなものが増えて来たし、そのような料亭では比較的気軽に舞妓さんを呼ぶ事ができる。かっての祇園は、「…

シンガポール通信ー法然院にて

先週帰国している間に、旧知の羽尻さんが法然院の和尚さんとの対談の場を設定してくれた。というのは、羽尻さんがこれまで書きためていたエッセイを出版する予定で出版社と交渉中との事であるが、出版社から何か内容に関係する対談の内容を本の中に含めてほ…

シンガポール通信ーCUTEセンターの中間評価

2月中旬以来、すっかりブログの更新をおこたっていた。CUTEセンターという慶応義塾大学と共同研究している研究センターの中間評価があったためである。CUTEセンターは5年間のプロジェクトで、予算はS$20M(日本円だと12億円程度)の規模のプロジェクトであ…

シンガポール通信ー 武田隆「ソーシャルメディア進化論」2

前回紹介したのはこの本の第3章までである。そこでは、ソーシアルメディアもしくはソーシアルネットワーク(SN)を縦軸(価値観をベースとしたネットワークか、現実生活での人間関係を反映したネットワークか)と横軸(関係構築を目的としたものか、情報交…