2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シンガポール通信-領土拡大政策と宗教

さて現在の中国に対する外交政策の取り方を考える際に、これまで述べてきた中国の歴史を知ることは大きなヒントになる。これまで述べてきたように中国はそれだけでも広大な領土を抱える大国であり、まだ不安定な国内の情勢を安定化することが最重要課題であ…

シンガポール通信-中国の覇権主義を考える3

中国の明の初期に、当時の皇帝永楽帝が宦官鄭和に命じて行わせた「鄭和の南海大遠征」は、欧州で「大航海時代」が始まるのに半世紀もしくはそれ以上先行していた。それとともに、そこで用いられた船の大きさ、船団の巨大さ、さらには航海技術などは、当時の…

シンガポール通信-中国の覇権主義を考える2

「鄭和の南海大遠征」とは、明の初期永楽帝の時代に1405年から1431年まで朝貢貿易を勧めるため宦官鄭和に命じて7回にわたって大艦隊を海外に送ったことをさしている。欧州における大航海時代の始まりに数十年先行し、かつその具体的な成果であるコ…

シンガポール通信-中国の覇権主義を考える

さて、21世紀を混迷の時代とする可能性のあるもう一つの原因である中国の覇権主義について考えてみよう。最近中国の覇権主義が話題になっている。覇権主義とは、自国の強大な力を背景として近隣諸国へ圧力をかけたり領土を拡大しようとする野望を推進する…

シンガポール通信-21世紀は混迷の世紀か?:2

さて21世紀は混迷の時代であるとしたとき、その一つがイスラム原理主義の台頭であることは間違いない。この問題の厄介な点は、このブログでも何度も論じたがイスラム原理主義がムハンマドによって作り出されたイスラム教の原点に戻ろうという、原点回帰の…

シンガポール通信-21世紀は混迷の世紀か?

21世紀はアジアの時代であるといわれることがある。これは中国をはじめインドなどアジアの諸国が急速な経済発展を遂げていることから、21世紀はアジアの国々が欧米の国々と経済面や政治面で対等にわたりあえるか、もしくはそれを凌駕する時代になるであ…

シンガポール通信-イスラム過激派のテロにどう対応するか3

さてそれでは、世界がイスラム国に代表されるイスラム過激派に向けたメッセージは、どのようなものとなるべきだろうか。私の考えた案を以下に示そう。「我々は今回のフランスにおけるテロに代表されるテロを、イスラム過激派が世界に対して仕掛けている戦争…

シンガポール通信-イスラム過激派のテロにどう対応するか2

前回、テロを受けたフランスも含め欧米社会はイスラム過激派の主義主張に反駁する自分たちの主義主張を明確にし、それをイスラム過激派に対して明確に宣言すべきであると書いた。それではその主義主張とはどのようなものであるべきだろうか。 それは一言で言…

シンガポール通信-イスラム過激派のテロにどう対応するか

さてそれでは、イスラム国やイスラム原理主義者(ここではこれらをまとめてイスラム過激派と呼んでおこう)のテロにどう対応すればいいのかということを考えてみよう。今回のパリのテロに対するオバマ大統領など主要国首脳のコメントは、いずれも「テロは許…

シンガポール通信-パリの同時テロはイスラム原理主義者による欧米への戦争である2

13日のパリ市内のテロ事件からまだ数日しか経っていないというのに、国内のテレビはもうほとんどテロに関するニュースは報じていなくて、いつものバラエティ中心の番組になっている。あたかも、この世界規模で報じられているニュースがなかったかのような…

シンガポール通信-パリの同時テロはイスラム原理主義者による欧米への戦争である3

イスラム国を中心としたイスラム過激派もしくはイスラム原理主義者から見ると、欧米社会もしくはキリスト教社会はどのように見えるのだろうか。ここに彼らが欧米に対して無差別なテロを仕掛ける原因があると言える。まず第一に言えるのは、欧米社会が本来の…

シンガポール通信-パリの同時テロはイスラム原理主義者による欧米への戦争である

13日にパリ市内の3カ所で起きたテロ事件により、現時点で130名近い方々がなくなったとのニュースが報道されている。痛ましい限りであり犠牲になった方々のご冥福をお祈りする。テロ事件はバタクラン劇場、パリ市内のレストラン、スタッド・ド・フラン…

シンガポール通信-ハイアットリジェンシー京都ホテルにおけるプロジェクションマッピング

10月23日にハイアットリジェンシー京都ホテルにおいて、土佐のアート作品を用いたプロジェクションマッピングとディナーを組み合わせたディナーショーを行った。そもそもの発端は、3月に京都国立博物館で行った土佐のアート作品を用いたプロジェクショ…

シンガポール通信-楽天二子玉川新社屋におけるトークショー

前回紹介した文化とコンピュータに関する国際会議Culture and Computing 2015より前になるが、10月4日に東京二子玉川の楽天の新社屋において土佐の作品の上映会とトークショーを行った。楽天はご存知のように日本最大のオンラインショップを運営している…

シンガポール通信-文化とコンピュータに関する国際会議

10月17日(土)から19日(月)まで京都大学において、Culture and Computing 2015と称する国際会議が開催された。この国際会議は文化をコンピュータでいかに扱うかに関する研究成果を発表したり議論したりするものである。京都大学の石田先生、土佐、…

シンガポール通信-イベント続きの10月

9月後半から10月末までいろいろとイベントが続き、10月はとうとうブログを1度も更新しない月となったが、9月後半から10月末までのイベントをまとめて振り返ってみよう。9月19日〜11月1日:神戸ビエンナーレで土佐のビデオアート作品を用いた…

シンガポール通信-2015年世界大学ランキング4

Times Higher Education社による世界大学ランキングに関して色々と論じてきたが、最後に異なる機関による大学ランキングに触れておこう。幾つかの機関から世界大学ランキングが発表されているが、そのうちよく知られているのがTimes Higher Educationによる…

シンガポール通信-2015年世界大学ランキング3

現在韓国で開かれている国際会議に出席している。古くからの知り合いの韓国の先生に、ソウル大学を含め韓国の大学が今年のTHE World University Rankingで大幅に順位が低下したことに対して、韓国でどのような反響が出ているかに関して聞いてみた。それによ…

シンガポール通信-2015年世界大学ランキング2

現在関西空港のラウンジで韓国行きの飛行機を待っている。韓国に着いたら前回書いたように、韓国の大学の先生にソウル大を始め韓国の大学が今年のTimes Higher Educationでランキングの順位を昨年に比較して大幅に低下させた理由を彼らがどう考えているかを…

シンガポール通信-2015年世界大学ランキング

少し旧聞に属するけれども、世界大学ランキングについて少し議論してみたい。10月1日に英国の教育専門紙Times Higher Educationが毎年発表している、THE (Times Higher Education) World University Rankingが発表された。東大がランクを大幅に落とし、と…

シンガポール通信-ブログ再開2

「携帯文化」に代表されるようなアジア的行動様式を欧米人が取るようになってきたのは、極めて大きな変化であると前回書いた。長年の歴史と文化に根付いた人間の基本的な思考様式・行動様式というのは、時代が変わってもそれほど大きく変わるものではないの…

シンガポール通信-ブログ再開

9月後半からいろいろなイベントが続き、なかなかブログを更新する時間がなかった。気がついてみると9月は全くブログを更新しておらず、すでに11月である。このブログは、私がシンガポールに移った翌年の2009年の12月から書き始めているので、すで…