シンガポール通信ー羽田国際ターミナル

11月末に東京で会議があって数日帰国した。せっかくの機会なので、最近オープンした羽田の国際線ターミナルを利用してみようと思い立った。

現在羽田とシンガポールの間は毎日シンガポール航空が2便、日本航空が1便、全日空が1便それぞれ飛行機を飛ばしており、計4便である。成田シンガポール間は、さらにユナイテッドなどの便もあり毎日計7便の飛行機がある。合計すると11便ということになる。

それに対し、関空の方はかってはシンガポール航空が2便、日本航空が1便あったのであるが、日本航空が撤退し、かつシンガポール航空も1日1便に減便してしまい、現在ではなんと1日1便しかないという状態である。東京と大阪の経済の差がこれだけ如実に出ているわけである。(実はシンガポール航空は11月から隔日で1便増便することになったので、正式には1日1.5便である。)

普段はシンガポール航空を利用しているが、今回は少し気分を変えてみようという事で全日空を利用してみた。飛行機は新しい期待を使っており、内装はきれいである。映画などのプログラムもシンガポール航空ほどではないにせよ新作の映画も含めてなかなか充実している。

ちょっととまどったのは、座席のリクライニングが背もたれが倒れる方式ではなく、腰掛ける部分が前にせり出すようになっている点である。前の座席を目一杯に倒されて非常に窮屈な経験をする事は多いので、その点ではこの方式は便利である。

しかしながら、腰掛ける部分が前にせり出すと今度は足と前の座席の間の空間が狭くなるため、これはこれで決して快適とは言えない方式である。まあ、リクライニングがないと割り切った方が良いであろう。

さて、羽田について到着ロビーに出た最初の感想であるが、簡素な作りをしているなという感じを持った。なんだか国内線のターミナルの様である。天井も決して高くはないので開放感が感じられない。


羽田の到着ロビーの様子。写真からでもなんだか国内線のロビーのような雰囲気が伝わってくる。


時間もあったので、出発ロビーも見てみようと思い、出発ロビーの方に行ってみた。さすがに出発ロビーは天井も高く開放感がある。しかしながら、いずれの空港でもやっている豪華に見せようという部分が感じられない。何か質素な感じがするのである。壁や床の材質をケチっているのか、ともかくも全体的な印象として、安っぽいという感覚がするのである。

最も別の言い方をすれば、シンプルなヨーロッパ的デザインとでも言う事も出来るので、安っぽいと言い切ってしまうのも気が引けるが、ともかく第一印象としてはそのように感じた。


羽田の出発ロビーの様子。写真からだと質素感というのは伝わってこない。この辺り写真と実物の違いが出ていて興味深い。


さてついでにという事で、話題になっている江戸小路を除いてみた。レストラン街の一角を江戸の町並みを再現した作りにしたとのことである。まあ外国人には受けるかもしれないが、私たち日本人から見るとなんという事はない。しかも朝早くのためかまだ開店していない。

最近は国際線であれば24時間空港を標榜している空港も多い。さすがに24時間とは行かなくても、飛行機が発着している時間帯は開けておくべきであろう。近くの通常のレストランは開いているものも多いので考えてもらいたいものである。


江戸小路の入り口にある鳥居。これはなかなかモダンな設計であって評価できる。


江戸小路のようす、朝まだ早いので(といっても午前8時なのだが)まだ開店していない。


さて到着の後は横浜で会議があったため京浜急行を利用した。京浜急行の駅も、ターミナルで感じたのと同じ感覚、つまり清潔であるがなんだか質素な感覚を受けた。最もこれは私がシンガポールに住んでいるため、私自身の感性が変わって来たという点もあるかもしれない。