シンガポール通信ーGlobal Social Innovators Forumの報告

先週末にシンガポールにてGlobal Social Innovators Forum (GSIF)という会合が開催され参加して来たので、その報告。

この会合はタイトルを見てもわかる通り、World Economic Forum (WEF)のシンガポール版とでもいったものである。WEFは世界の政治・経済界の代表者達を集めて今後の世界の経済問題に関して種々の問題を政治を抜きにして話し合おうというのが趣旨である。

有名な毎年冬に行われるダボス会議もその活動の1つであり、他にも中国で夏に行われるサマーダボスと呼ばれる会合などを開催している。

シンガポールは何につけ世界の一流国と伍して活動したり、世界一をめざしたりする事が好きな国である。GSIFに関してもWEFの向こうを張って世界的にも有名な会合にして行きたいとの気持ちが強いのだろう。

特徴としては、WEFが経済問題に重点をおいて今後の世界を占おうと考えているのに対して、GSIFは名前からもわかるように経済問題に限る事なく、技術革新、教育、社会現象など今後の社会に変化を与えるような項目に関して議論し、またそれから今後の社会を占おうという点にある事だろう。

とはいいながら、WEFに比較するとまだまだ小さい会合であるが、WEFのメンバーを招待するなどしてWEFの力を借りつつ大きくして行きたいとの意図があるようである。


これはGSIFの開催されたLasalle College of Art、何やら未来的なデザインである。


今回のテーマはFuture Rediness。つまり未来はどうなるかそしてそれに対して私たちはどう備えるかという、いわば一種の未来論を論じようというわけである。


これはプレナリーセッション。パネリストがそれぞれの立場から未来について論じる。


今回は日本から茂木健一郎氏と慶応の稲蔭正彦教授が招待されて参加していた。


せっかくの機会なので記念写真。左から私、茂木さん、Adrian Cheok(慶応&NUS)、稲蔭先生


さて最初の仕事はFuture Readinessと題したワークショップに参加して参加者の議論を進める役割をする事である。参加者(その多くはシンガポールのビジネスマン、ビジネスウーマン)に5、6人づつのグループになってもらい、それぞれのグループで自分たちの立場から未来について語ってもらう。

私も含めて進行役が各グループに入りそれぞれの議論の進行を図る訳である。シンガポールの特徴はアジアの種々の国々の人々が混ざっている事であり、そのため各グループとも参加者の国籍はまちまちであり、また仕事も大きく異なる。これらを考慮に入れながら、議論を進めて行くのはなかなか大変である。


ワークショップの準備状況。まだ開始前で一般の参加者はまばらで開催側が準備に忙しい。稲蔭先生(右)も進行役にかり出されている。


議論が終わると各グループが議論結果をまとめて、全員の前で発表する。各グループとも代表者を選んで発表してもらう訳であるが、選定時にいやがっていた人が、いざ発表になると堂々と見事な発表するのには驚かされる。このあたりは、プレゼンの練習を教育の中で十分に受けて来ているからであろう。日本の教育に欠けている部分か。


各グループの発表状況。