2012-01-01から1年間の記事一覧

シンガポール通信ー中国紹興での国際会議

杭州での国際会議に引き続き、近くの街である紹興市の紹興工科大学で行われた会議であるディジタルミュージアム国際会議に出席した。これは、杭州での国際会議に付随する会議として開催されたもので、1日の会議である。紹興市は名前からわかるように、紹興…

シンガポール通信ー中国杭州での国際会議2

さて国際会議であるが、これは「文化とコンピュータ国際会議」というタイトルの国際会議である。文化をいかにしてコンピュータで扱うかを議論するもので、京大の石田先生・土佐先生などが中心となって2年前に設立された。1、2回目は京都大学で行われたが、…

シンガポール通信ー中国杭州での国際会議

今週は、中国杭州で行われる国際会議に出席のため、杭州市に滞在している。「日中間の関係が悪化している時に中国に行って大丈夫か取りやめた方がいいのでは」という助言を何人かの人に頂いたが、強行した次第である。強行した1つの理由としては、この国際…

シンガポール通信ー岩波文庫「古事記」

先週は、現在NUSと共同研究の可能性に関して検討を行っている日本企業の方が数名来訪されたので、数日間缶詰で共同研究の可能性・テーマなどを議論していた。一段落してほっとしたので、先週の週末久しぶりに岩波文庫の「古事記」を取り出して再読した。「古…

シンガポール通信ー安倍自民党総裁の靖国神社参拝

山中京大教授のノーベル賞受賞が、シンガポールでは全くテレビも含めて話題にならなかったことを述べた。その後何人かの人に聞いてみたが、テロップでニュースが流れたのを見たという人がいた以外はいずれも、全くそのニュースは聞かなかったという回答であ…

シンガポール通信ー原子力発電は可か不可か:シンガポールからの視点

現在日本では、東日本大震災に伴って福島原発からの放射能の漏れが近隣地域を汚染した事に端を発し、原子力発電を廃止すべきか継続するべきかに対して、賛否両論の多くの議論が行われている。その事は後で議論するとして、昨日テレビChannel News Asiaのニュ…

シンガポール通信ーニュース「iPS移植は虚偽」に思う3

前回は、森口氏の「iPS細胞移植成功」との主張に対するマスコミの追及の甘さを指摘した。しかしこの辺りで我と我が身を振り返る必要がある。今回の森口氏のiPS細胞移植成功というニュース、そしてそれに続いてその発表は虚偽だったというニュースが、今日も…

シンガポール通信ーニュース「iPS移植は虚偽」に思う2

今回の件に関しては、どうしても最初にマスコミのニュースの追いかけ方のまずさを追求せざるを得ない。今回の件を、何かの事件が起こって被疑者がいる場合、その被疑者が犯人であるか否かを警察が決めるプロセスと比較してみるといい。事件が起こり被疑者が…

シンガポール通信ーニュース「iPS移植は虚偽」に思う

昨日・今日と、iPS移植は虚偽だったというニュースが新聞やネット上を賑わしている。これも、いろいろと考えさせられる事の多いニュースである。事は、東京病院特任研究員(同時に本人はハーバード大客員講師も勤めていると名乗っている)の森口尚史氏が、ヒ…

シンガポール通信ー山中氏のノーベル賞受賞に思う

前回の続きであるが、ここからは山中伸弥教授の業績とは直接関係ない話なので、まずはその点をお断りしておく。前回も書いたけれども、今回の山中教授のノーベル賞受賞のニュース報道に関して、ある種の違和感を感じたのは私だけだろうか。それは、従来型の…

シンガポール通信ー京大山中教授ノーベル賞受賞

京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が、2012年のノーベル医学生理学賞を受賞される事になった。大変おめでたい事であり、まずはお祝いを申し上げたい。今回の山中教授のノーベル賞受賞に対しては、いくつか感じた事があるので思いつくままに書いてみ…

シンガポール通信ー大学のワールドランキング

毎年タイムズ誌が発表している世界の大学の上位400校のランキングが、今年も発表になった。このタイムズ誌は、英国の新聞タイムズが発刊している教育専門雑誌であり、数多く発表される世界大学ランキングの中で信頼度が高いと評されているものである。こ…

シンガポール通信ーエンタテインメント技術委員会

今回のブレーメンでのイベントとして、前回紹介した国際会議以外に、この国際会議のスポンサーであるエンタテインメント技術に関する技術会議(Technical Committee、略してTC)の定例会議が行われた。この技術会議を説明するには、まずその母体であるIFIP (…

シンガポール通信ーエンタテインメント技術の国際会議出席

今回のブレーメン訪問は2つ目的があった。1つは、エンタテインメント技術に関する国際会議であるICEC2012 (International Conference on Entertainment Computing)に参加することである。もう1つは、この会議のスポンサーであるIFP技術会議の定例会議に出…

シンガポール通信ー再びブレーメンへ

先週9月25日から31日までドイツ、ブレーメンを訪問した。エンタテインメント技術に関する国際会議であるICEC2012 (International Conference on Entertainment Computing)に参加するためである。この会議の準備のためのミーティングを行うため、6月の…

シンガポール通信ーリドニー・スコット監督「プロメテウス」2

プロメテウスはよく知られているようにギリシャ神話に出てくる神であり、ゼウスの意思に逆らい人類に火を与えた事で知られている。火を与えるという事は、それに伴って生じる人類の進歩につながる訳である。その意味で、知的な生物としての人類を作り出した…

シンガポール通信ーリドニー・スコット監督「プロメテウス」

監督の「プロメテウス」を最近機内で観たのでその感想。SF映画であり、しかも「ブレードランナー」「エイリアン」のリドニー・スコット監督となると、SF好きの私としてはぜひとも劇場で観たかったのであるが、このところ忙しくてなかなか劇場に行く時間が取…

シンガポール通信ー尖閣諸島問題を考える2

前回少し言い残した事があるので追加しておこう。それでは、ある意味で政府が仕掛けている(と私は考えているが)デモや暴動に、なぜ民衆が簡単に乗ってしまうのであろうか。多分ここには現在の中国が抱えている問題が露呈していると思われる。中国はついこ…

シンガポール通信ー尖閣諸島問題を考える

このところ尖閣諸島問題で日中間の関係が緊迫している。中国では大規模デモが多くの都市で起こると共に、日系のコンビニ・百貨店などが暴徒と化したデモ隊の標的となって破壊されるなどの事件が起こっている。私は来月中旬に中国で行われる国際会議に招待さ…

シンガポール通信ーシンガポールの競馬場にて

私のパートナーの土佐さんが、シンガポールの競馬場(Turf Clubと呼ばれている)で作品の展示会を行うので、面白そうだという事で参加して来た。そもそもの発端は、シンガポールの運送会社が年に数度お客を競馬場に招待してパーティを開催しているのであるが…

シンガポール通信ー龍谷大築地先生の来所

先日私の大学の工学部の事務から突然電話があって、私宛の来訪者がいるのだが尋ねるべき場所がわからないとの事なので、工学部の事務室から私のオフィスまでの道筋を教えてくれとの事であった。来訪者の名前を聞いてみても、どうも発音しにくい名前のようで…

シンガポール通信—京都大学メディアセンターとのワークショップ

先週初めに京都大学メディアセンター (正式には学術情報メディアセンター)と私の勤務するインタラクティブディジタルメディア研究所(通称IDMI)の間でワークショップを開催した。お互いの研究所に「メディア」という名前がついており、名前の通り画像や音…

シンガポール通信ーモーニング「リメンバー」終了2

SFファンとしてはワクワクするような状況設定で、しかも「蒼天航路」の王欣太による漫画という事で大変私も期待しており、そしてその期待に添ったストーリー展開をしていた(と私自身は思っているが)モーニング誌の「リメンバー」が、なぜ突然終了になった…

シンガポール通信ーモーニング「リメンバー」終了

少し前の話題になるが、コミック週刊誌「モーニング」に連載されていた「リメンバー」が突然終了になった。私の好みの漫画だっただけに大変残念である。なぜ突然終了になったかは、説明もされていないのでわからない。漫画としては一応大団円の形で終了して…

シンガポール通信ー首相の建国記念日大会の演説

シンガポールの建国記念日は毎年8月9日である。今年は建国47周年。3年後には建国50周年という事で大がかりな祝祭が行われると思われる。毎年の建国記念日の近辺で、リー・シェンロン首相がシンガポールの一般市民を対象として、演説を行う事になって…

シンガポール通信ー仁和寺の法師

「仁和寺にある法師、年よるまで岩清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思い立ちて、ただひとりかちよりもうでけり。(中略)少しの事にも先達はあまらほしきことなり。」高校の時に古文で習った有名な吉田兼好の「徒然草」の一節である。誰でも部分…

シンガポール通信ーNUSの新しい家族寮完成

だいぶ前のブログで紹介したが、私が住んでいるNUSの家族寮で新しいアパート群の建設が進んでいたが、最近ほぼ完成した。3棟からなるアパート群で、いずれのアパートも24階建ての高いビルである。NUSでは最近新しいキャンパスを作り、一般教養の授業を強…

シンガポール通信ー桂離宮訪問

先週帰国した機会を利用して桂離宮を見学のため訪れた。桂離宮の名は小学校時代から社会科や歴史の授業でよく耳にした。いわく、日本で最も美しい庭園、建築家のブルーノ・タウトが絶賛した、などなど。しかしこれまで桂離宮を訪問する機会がなかった。私はN…

シンガポール通信ー日本はシンガポールでどう思われているか

さて最後に、日本という国はシンガポールでどのように理解されているのかを、アンケートに基づき調査してみよう。グローバル化の重要性の議論と同時に、よく言われるのが日本特殊論である。しかもこの場合の日本特殊論は、どちらかというと否定的なもしくは…

シンガポール通信ーアジア化の流れとは?

最近うるさいほど聞かされるグローバル化の流れとは本当のところなんだろうか。私の意見では、結局のところ欧米もっと言うと米国の文化・技術をもっと取り入れる事によりビジネス面で欧米と対等に渡し合う事をめざす流れ、いいかえると欧米化の流れであると…