シンガポール通信ー桂離宮訪問

先週帰国した機会を利用して桂離宮を見学のため訪れた。桂離宮の名は小学校時代から社会科や歴史の授業でよく耳にした。いわく、日本で最も美しい庭園、建築家のブルーノ・タウトが絶賛した、などなど。しかしこれまで桂離宮を訪問する機会がなかった。

私はNTTに勤めた後、関西に移り住んで15年以上になる。5年前からシンガポールに主な居住地を移しているとはいえ、一ヶ月に一度は帰国しているのでまだ京都の住民のつもりである。ということは、大学時代を入れると20年以上京都に住んでいる事になる。20年以上京都に住んでいながら桂離宮を訪問した事がないのは、まあ言ってしまえばなかなかそのような機会がないからである。

桂離宮宮内庁が管理しており、見学するためには事前に申し込む必要がある。京都に住んでいながら桂離宮を訪問した事がないのは、事前の申し込みが面倒で、それがなかなかその気になれない理由かもしれない。

ところが今回、私の10年来の友人であるオランダのアイントホーベン工科大学のMatthias Rauterberg教授が来日する事となった。これは京都大学との学術交流協定締結が主な目的であるが、たまたまお盆休みで私が帰国している時期と合うため、京都を案内しようという事になった。とは言いながら本人は何度も京都に来ているので、普通の観光地はほぼ訪問済である。

何か特別な場所はないかと思っているうちに思いついたのが桂離宮である。何でも外国人が訪問する際は、外国人特別枠というのがあって直前に申し込んでも大丈夫らしいと言う事も聞いた(これは本当かどうか知らないが)。ということで無事私の帰国の日に合わせて桂離宮を訪問する事ができた。



桂離宮の入り口で記念写真。左からアイントホーベン工科大学のMatthias Rauberberg教授、京大の土佐先生のところにインターンで滞在しているMITのLaw Smith君、そして私。



約20人が1グループとなって、案内してもらう。案内者は宮内庁の職員と思われるが、大変ユーモラスな説明で楽しめた。ただ、日本語であり外国人は録音された説明をイヤホンで聴くだけである。Rauterberg教授に聞いてもとおり一遍の説明だとのこと。改善が求められる。



これは庭園の中央付近にある松琴亭という茶室の内部。市松模様のふすまが美しい。



松琴亭から池と対岸の書院を見る。桂離宮でも最も美しい風景の1つだろう。



これは笑意軒という名の茶室。



笑意軒で説明を聞く見学者。この日は大変蒸し暑い日で気温は35度近く。見学者はすでにかなり疲れ気味のようである。



笑意軒から圓林堂という仏像を安置するための堂を望む。



桂離宮の中心となる建物である書院。残念ながら見学者は書院の中には入れない。



書院から見た池と庭園。これも大変美しい風景である。



見学を終わって記念撮影。左から京大の土佐さん、私、Prof.Rauterberg。