シンガポール通信-長春脱出

日曜には長春の観光をする予定であったが、寒くてとても観光どころではないだろうという事になった。しかも日曜にはこの冬一番の寒波が来るらしいとの事で、月曜の朝に長春を発つ予定を急遽変更して日曜の朝に長春を発つ事とした。ともかく早めに長春を後にした方がいいだろうというのが、招待してくれた吉林動画学院側の助言である。

という事で、月曜朝に長春を発つフライトを日曜午前中に発つフライトに変更した。ホテルから空港までは学園側が車を用意してくれた。途中の沿道の様子は、確かに寒そうではあるが日本であれば冬の東北か北海道南部程度であり、とても零下20度というようには見えない。歩いている人々の服装も、日本の冬とあまり変わらないのではと感じる程度である。

しかし、確かに良く見れば道路はアスファルトの上に薄い氷の層ができているようである。私なら車のスピードをかなり落とすところであるが、さすがになれているせいか、高速道路は100キロ以上で飛ばすのでこちらがひやひやしてしまう。もっともインターチェンジなどのカーブが多い所では極端にスピードを落とすところは、やはり経験上どこで注意すべきかを良く知っているようである。

さて空港につくと、いずれのフライトも軒並み遅延かキャンセルである。特に地方の小さい航空会社の便は多くがキャンセルになっている。エアチャイナはさすがに中国のフラッグキャリアだけあって、キャンセルはあまりないもののいずれも遅延である。私の乗る便も3時間以上遅れる事となった。

最初は、お昼に北京に着けば午後は北京の観光が出来るなどと気軽に構えていたが、結局北京に着いたのは午後4時過ぎ。もう既にあたりは薄暗くなりつつあり、とても北京に観光に行くという状況ではない。そうそうに空港近くのホテルに行く事とした。まあなんとか長春から脱出できたというところである。

ホテルは中国滞在の最後という事で、ヒルトンホテルをはりこんだ。長州で滞在したホテルも決して悪いホテルではないが、さすがにヒルトンに入るとそこは別世界。外が中国だとするとヒルトンホテル内はよくも悪くもそこは欧米文化の世界である。まあそれでほっとするというのは私も欧米文化の影響を受けているという事か。



長春のホテルで食べた中華料理の一皿。さすがに北国、なかなかこったデコレーションである。



これはアヒルの頭を煮た料理。日本だと魚の頭をカマと称して食するが似たような文化である。肉は少ないが確かに美味である。



外は零下20度の世界。しかし歩いている人達の服装は日本の冬とあまり変わらない。



長春空港は出発ロビーは新しく広々としている。到着ロビーがローカル色豊かなのとは対照的。



とはいいながら、さすがに北京空港の到着ロビーは巨大である。



中国の文化にどっぷり浸かった後、ヒルトンホテルのロビーにくるとほっとするのは、私が欧米文化に毒されているからだろうか。



ヒルトンホテルの客室フロアの廊下。欧米風のデザインである事は確かであるが、中国人好みの少し華美な所も感じられる。