シンガポール通信—長春にて

今回の長春旅行の目的は、中国最大のCG・アニメーションの大学である吉林動画学院を訪問し、共同研究の可能性などを議論する事にある。吉林動画学院は2000年設立と新しい大学であるが、すでに学生10000以上、専任教師が450人あまりの規模になっている。さらに大学の成果を実用化するための会社も設立しており、大学の成果をベースにアニメーション・ゲームなどを製品化している。

長春は、1月は最高気温マイナス10度、最低気温マイナス20度ということでかなり身構えていたが、実感としては意外に寒くは感じない。日本でいうと札幌辺りの感じだろうか。確かに気温は低いのだが、湿度も低いためか日本的な底冷えという感じが無いからだろうか。街を歩いている人達も、厳寒のシベリアのように顔もすっぽり覆うような防寒服を着ているのかと予想していたが、実際にはGパンなどの普通の服装に厚めのコートという服装であって、少々期待はずれであった。

長春はかっての満州国の首都新京であり、道路が大変広いという印象を受けた。多分満州国の首都らしくということで日本によって整備されたのであろう。建物は新京時代のものが沢山残っているという事であり観光する予定であったが、寒さのため結局取りやめ、ホテルと吉林動画学院を車で往復するだけにしたので、長春のいう街の様子を詳しく知る事はできなかった。春になると大変自然の美しい街という事なので、また訪れる事が出来る事を期待している。

とはいいながら、短い滞在の間の感想では新京時代の古い建物を取り壊し再開発を行っている途中であるという印象を受けた。これから発展途上の街なのだろう。



宿泊したホテル。前進大厦といういかにも中国的な名前のホテルである。



中には和食のレストランがある。刺身、天ぷらなど一応のメニューはそろっているが、なんだか中国的な味付けである。



ホテルから見た長春の市街。このあたりはまだ古い建物が残っており、再開発はこれからといったところだろう。やはり寒々とした風景である。



長春の市街。この辺りは再開発が進んでいるようで、高層のビルが多く見受けられる。



これは住宅地。低層階のアパートが並んでいる。いずれは高層のアパートに立て替えられるのだろう。



吉林動画学院の入り口。さすが10000人の学生を抱えるだけあって、大きなキャンパスに高層のビル群が林立している。



これまで訪問した有名人の手形が展示してある。東大の河口先生の手形を見つけて感動。



夜は招待してくれたパン先生と一緒にホテルのある和食のレストランで食事。パン先生は10年来のつきあいであるが、吉林動画学院と関係が深く、今回の招待をアレンジしてくれた。