シンガポール通信ーシンガポールの和食店

ついでに、シンガポールのレストランで私がよく行くレストランをいくつか紹介しておこう。レストランと言ってもすべて和食レストランである。

このブログでも何度か書いたけれども、最近は家で食事を作る際も外で食事する場合もほとんど和食である。最初の頃は珍しい事もあって、中華料理・タイ料理・ベトナム料理などのレストランにも出かけたが、徐々に同じ金を払うのなら和食がいいということになってきた。

年齢のなせる技なのか、舌が和食になじんでしまっているのか、はたまたそれらの合併症状なのかということであるが、まあ日本米を使ったご飯の味に舌がなじんでいるのが最大の理由であろう。

日本にいた時も、思い出してみると食事の大半は、コンビニで買った弁当かおにぎり、大学の学食・和食店ファミリーレストランなどで済ませていたが、ほとんどといっていいほどご飯を一緒に食べていたことになる。ファミレスで洋食まがいのものを注文するときにも、パンではなくてご飯を食べていた。もっとも、大半の日本人はそうではなかろうか。

どうも、ご飯を食べないと食事をした気にならないように体がなってしまっているのではないだろうか。これは日本人だからどうのこうのというより、日本で毎日ほぼ三食ご飯の味に慣れきってしまっているせいだろうというのが、私の結論である。

そうすると、こちらの料理をおかずとしながら日本米のご飯を食べれば満足できるのかということになるが、私の想像するところではそれならがまんできるのではと思っている。これは一度試したいところである。

それはともかく、私自身が外食をする時や日本人・外国人に限らずお客さんとご一緒する時も、必ずと言っていいほど和食の店に行く事にしている。外国人も和食というと大半の人が喜んでくれるので最近はこの自己流で通している。

よく行く店の一つは「えん:En」である。Enはモハメド・スルタン通り沿いのUEスクエアというビルの1階にある。もともと沖縄料理店として出発したとのことで、ゴーヤチャンプルなどの沖縄料理がいまもメニューの一角を占めているが、刺身・寿司・焼き鳥などの日本料理のメニューが増え、すっかり日本料理店の様相を呈している。

大衆酒場風の店と、少し高級レストラン風の店、さらにはバーの3軒の店がならんでおり、一緒に来る相手によって適当な店を選べるという便利さもある。さらには、私が毎週末に食料の買い出しに来るリャンコートの明治屋の近くにある事もあって、買い出しの後で食事をして帰るというのが週末の習慣になってもいる。


「えん」にてCUTE Centerを通して共同研究をしている慶応の人たちと。私の左となりが慶応の稲見教授。


もう1軒のよく行く店は「楽膳」である。こちらはSUNTEC Convention Centerの近くのミレニアウオークというショッピングセンターの一角にある。店の雰囲気は高級料理店風であるが、味がおいしい割には値段がリーズナブルであるところが気に入っている。とくにご飯の味がおいしい。

和食の店も日本人以外がシェフをしている事が多く、ご飯が柔らかすぎたり固すぎたりすることが多い。(どちらかというと東南アジアのご飯は固いので、日本米のご飯も固めのことが多い。)その点楽膳では、まさに日本のご飯の柔らかさの炊き方がしてあるため、特に寿司によくあい何とも寿司がおいしく感じる。

日本人のマスター以外はすべて地元の人たちであるが、彼等をマスターがうまく指揮・指導している様子を見ているのも楽しい。

ただ、最近出来たホテルとカジノの集合体であるマリーナベイサンズが比較的近いため、最近は特に週末は大変混んでいる。帰りのタクシーを捕まえるのも一苦労である。そのような場合は、近くのカラオケで深夜過ぎまで歌って、人ごみが途切れるまで待つという手を使うこともある。


楽膳にて一緒に企画したワークショップの打ち上げ。左から楽膳のマスター、京大の土佐尚子教授、私、東大のPhilippe Codognet教授、および奥さん。