シンガポール通信-ニューヨークでの展示

ロンドンでの展示がとりあえずスムースに開始され我々の仕事が一段落したところで(展示自体は年度いっぱいまで延長となり継続しているが)、次はニューヨークでの展示である。ニューヨークでは、文化庁を通して交渉しニューヨークの日本総領事館のギャラリーで行うこととなった。本音を言うと、いわゆる有名どころのギャラリーで展示を行いたかったのであるが、そこはアートの激戦区ニューヨーク、大半のギャラリーはすでに1年以上先のスケジュールが決まっており、結局比較的融通がきく日本総領事館のギャラリーで行うこととなった。

ビデオアートの展示なのでコンテンツそのものは小型の外付ディスクなどで簡単に持ち運びできるが、問題はプロジェクターである。通常の学会発表などに使うプロジェクターであれば小型のものが出回っているので、持ち運びは楽だしギャラリーにも備え付けてある。しかしながら大画面で高精細の動画を投影しようとすると、どうしても高輝度、高精細のプロジェクターが必要になる。

通常のプロジェクターがたかだか3000〜5000ルーメンの明るさであるのに対し10000ルーメンもしくはそれ以上の輝度が望ましい。となると結構大型で値段もかさばるものになりどこにでもあるというものではなくなる。また解像度も最低フルハイビジョン、できたら4Kなどの解像度を求めると結局こちらで用意する必要があるということになる。さすがに10000ルーメン以上、フルハイビジョン以上のプロジェクターは持ち運びできるものではないので、あらかじめ運送しておく必要がある。しかし何かことがあったときのためのバックアップ用のプロジェクターを持参しようということになり結構荷物が大掛かりになってしまった。ともかくもなんとかセッティングを終え、展示を開始したところである。



ロンドンからニューヨークへ移動中。ロンドンのタクシーは中が広いのでこれだけの荷物でも大丈夫だが、ニューヨークのタクシーはこれだけの荷物は載せきれない。大型のバンを探しているうちに白タクにつかまり、結局かなりぼれらることとなった。



ニューヨークの総領事館のギャラリーにおいて展示の準備が整ったところ。部屋が縦長で、壁面全体を使った大型のプロジェクションが困難なのが難点。



2台のプロジェクターを使ってなんとか、壁面全体を使ったプロジェクションを行えるセッティングができた。



入り口入ったところには、京都の建仁寺に奉納したフォトアートを展示している。



展示に来て頂いた佐藤さんというニューヨーク在住のキュレーターと、今後の土佐のアート作品の別の場所での展示の可能性を、セントラルパーク内のレストランで食事をしながら議論した。



セントラルパークからの帰り、トランプ・インターナショナル・ホテル&タワーの前をとおりかかった。日本のマスコミではいまだにトランプの大統領就任に反対する人たちの抗議活動が続いているとのことであったが、特に何事もなく通常の雰囲気である。トランプの大統領就任も既存の事実として受け止められ始めているのではないだろうか。