シンガポール通信−リー・クアンユーの国葬

今日はリー・クアンユー国葬である。朝から強い雨が降り続き、外出には適していない。昼からリー・クアンユー国葬の様子がテレビで中継されるとのことなので、テレビで国葬を見る事とした。



リー・クアンユーの遺体が安置してある国会議事堂から国葬が行われるシンガポール国立大学(NUS)まで遺体が送られた後、NUSにおいて国葬が行われる。今日は朝からシンガポール強い雨で止む様子もない。しかし遺体の納められている国会議事堂の周辺は、朝から多くのシンガポール国民がリー・クアンユーに最後の別れを惜しむために雨の中を辛抱強く待っている。



リー・クアンユーの葬列を先導する儀杖隊。



国会議事堂を出るリー・クアンユーの棺。



リー・クアンユーの息子で現首相のリー・シェンロン。まず驚かされるのが、リー・シェンロンがポロシャツを着ている事。リー・シェンロンはいわば喪主であるが、それが父の国葬においてポロシャツを着るなどは日本では考えられないことである。なんというかシンガポールのある種の現実主義を見せつけられる思いである。




そしてまた驚かされるのが、リー・クアンユーの棺が砲車によって運ばれる事。軍事国家ならばともかくも、普通は棺を運ぶための霊柩車を用いるであろう。そういえばシンガポールでは霊柩車を見た事がない。霊柩車というものそのものがシンガポールにはないのかもしれない。ここにもシンガポールの現実主義がある。



ジープに引かれ砲車に載せられて国会議事堂を出るリー・クアンユーの棺。



国会議事堂からNUSへ向かう葬列の沿道は朝から辛抱強く待っている多くのシンガポール市民で埋まっている。棺が通り過ぎる際には多くの人が「リー・クアンユー」と棺に向かって声をあげている。