シンガポール通信−シンガポールでプロジェクションマッピング

前回少し書いたが、今週1月16日〜19日の間シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズにあるアートサイエンスミュージアム(ArtScience Museum:以下ASM)で、私のパートナーの土佐尚子のビデオアート作品「サウンドオブ生け花:四季」のプロジェクションマッピングを行なう。

映像の投影は通常はフラットな平面に行なう。これに対してプロジェクションマッピングというのは、建築物等のようなでこぼこのある表面や曲面の表面に投影を行なう技法である。フラットでない表面に投影を行なうと、通常は投影された映像が歪んでしまう。これに対してプロジェクションマッピングは、あらかじめフラットでない表面の3次元モデルを作成し、それに合わせて投影すべき映像を逆変換しておく。

そうすると投影した時に表面に合わせて逆変換された映像と、表面のでこぼこや曲面が打ち消し合ってあたかも平面に投影されたかのような美しい映像が得られる。もちろん建物の形状に合わせて必要な部分のみに映像を投影するようにするため、見ている側からするとあたかも、映像を投影されている建物等の表面に映像が描かれているかのような感覚を与える。

もちろん屋外で大きな建物等に投影しようとすると大輝度のプロジェクターが必要になるが、最近は数万ルーメンの高輝度のプロジェクターの製品が現れ始めたため、プロジェクションマッピングのイベントが各地で行なわれるようになった。

国内で最近話題になったのは、復元が完了した東京駅でNHK(正確にはNHKエンタープライズ)が主催して行なったプロジェクションマッピングである。これは主催者側の思惑以上に大人気を博して多くの観衆が集まり、あまりの混雑に事故を怖れた警視庁と主催者の判断で期間途中でイベントを打ち切るというおまけまでついてしまったと聞いている。

さてこれから何回か、今週行なおうとしているプロジェクションマッピングの途中経過、イベントの様子等を報告したい。



これは東京駅で行なわれたプロジェクションマッピングの様子。Google image上の写真を使わせて頂いた。



シンガポール、マリーナ・ベイ・サンズにあるアートサイエンスミュージアムの外観。この外壁にプロジェクションマッピングを行なう。



実際にプロジェクションマッピングを行なった想像図。



すでに現地にはプロジェクション用の機材が持ち込まれており、セッティングを待っている。



プロジェクションを依頼しているのはヘキサゴンというシンガポールの地元の企業である。