シンガポール通信ー中国杭州訪問

今週の始め中国杭州での国際会議参加のため杭州を訪問した。バーチャルリアリティを研究している杭州大学のProf. Zhigeng Panとはここ15年以上の付き合いである。杭州を最初に訪問したのは、もう10年近く前になるが、私がまだ関学にいた頃杭州で開催された国際会議に学生と一緒に出席したのが最初である。最近はパン先生が彼が開催する国際会議にたびたび招待してくれるため、毎年1回は杭州を訪れるようになっている。

杭州を最初に訪れた時はまず上海に行き、上海からバスもしくは電車を利用するというルートを取った事を覚えている。乗り継ぎ時間などを考えると結局1日がかりの旅行であった。現在は関空から杭州へのANAの直行便が1日1便出ており、2時間少しの飛行で杭州に到着するので大変便利になった。

とはいえ、日中関係が微妙な時期でもあり、関空杭州間の便は空席が目立った。パン先生は最近バーチャルリアリティやゲーム関係の研究所を設立し、その立ち上げに私に協力してほしいとのことであり、今後も杭州を訪問する機会は多そうである。関空杭州間の直行便が取りやめになることがないか少しばかり心配である。

今回杭州を訪問して感じたのはやはり中国の経済の急速な進展である。杭州は有名な西湖のほとりにある街で従来はどちらかというと観光都市であった。それがここ数年工業都市として急速に発展しつつあり、市内には高層ビルが林立する風景が見られる。

また、数年前までだとベンツ、BMWなどの欧州高級車は公用車以外は見かけなかったが、今回の訪問では普通の人がこれらの車に普通に乗っている風景に出会って、中国の経済の発展を実感する事が出来た。



杭州国際空港の国際便到着ロビー。空港ビルは新しく一応国際空港と銘打ってはいるが、まだまだ国内便が中心であり、国際便の到着ロビーはそれほど混雑していない。



国際会議の行われたホテル。杭州にも最近は欧米資本の欧米的なホテルが多く進出しているが、これは純粋に地元のホテルである。



ホテルのロビーの様子。最近の中国のホテルは地元のホテルと言えど客室は欧米様式であるが、ロビーはやはり中国の雰囲気がする。食事は毎回中華なので2日も滞在していると飽きて来る。またインターネットは客室から一応つながるが、通信速度が遅いのには辟易した。



会議出席者とのディナーの様子。杭州紹興酒で有名な紹興市の近くにあるため、ディナーの場ではビールと並んで紹興酒が出て来る。特に紹興酒の長期熟成したものである老酒はたいへんおいしい。



今回の国際会議ではEdward Bakstに久しぶりに出会った。彼はアーティストであり、かってシンガポールのナンヤン工科大学(NTU)のアート学部の学部長をしていた時に知り合った。少しばかり気難しい所があり、煙たがる人も多いがなぜか私は彼と気が合う。現在は1年間の契約で北京大学のアート学部の教授をしているが、なかなか中国の風習に合わせるのは大変だ、契約延長は再考中だとぼやいていた。



杭州市内を歩いていると、欧州の高級自動車の代理店・ショールームに数多く出会う。これはポルジェのショールーム。中国とポルシェというのは私たちのイメージとしては合致しないが、市内では結構ボルシェが走っているのに出会う。最近はすこし鎮静気味とはいえここ数年間の中国の経済成長はかなりのものである事が実感できる。



これはメルセデス・ベンツショールーム。20台近いベンツがショールームに並んでいる様は壮観である。



ヒョウ柄にデザインされたベンツ。客寄せのためであり売り物ではないと思われるが、ともかくも客寄せにこのようなデザインの車を作り展示するだけの余裕があるという事である。