シンガポール通信ー久しぶりの東京都心

先週末数日間帰国した際、久しぶりに東京の都心の様子を楽しむ事が出来た。東京に行くのが久しぶりというわけではないが、いずれもミーティングのためだけの訪問で、新幹線で着くなり目的のミーティングの場所に直行し、終わればそのまま東京駅もしくは品川駅に直行して新幹線に乗るという旅行の連続だったため、東京の都心の様子を見る機会がここ数年なかった。

今回ももちろんミーティングが目的の東京出張であるが、時間に少し余裕があったので丸の内界隈と六本木ヒルズを訪れて見た。やはり印象に残ったのは、改装なった東京駅を中心とした丸の内界隈である。以前から丸の内界隈は重厚なビル群が連なっており東京の玄関口としての貫禄はあったもののが、多くは低層階のビルで他の国の首都の表玄関と比較すると少々貧弱な印象が否めなかった。

それがここ数年で多くの古いビルが新しい高層ビルに立て替えられ、さらに東京駅の改装が終わって、東京駅前を中心としたエリアが見違えるほど近代的なエリアに変貌した。東京のいやもっといえば日本の表玄関としてふさわしい風景になった。

以前から皇居を中心としたエリアは日本の都市風景として世界に誇れるものであった。それが丸の内界隈のビル群と一体化して東京駅を中心とした丸の内と皇居を中心としたお堀端全体を通して統一のとれたエリアになったようである。タクシーで東京駅からお堀端を抜けて国会議事堂の方へ向かっている時目に入る風景は、世界の首都の中でもトップを争う統一のとれた美しい都市風景であると感じさせられる。

ただ東京は広大な都市であり、全体としての統一感がとれているとはとても言えない。その後森美術館を訪問するため六本木ヒルズを訪れたが、六本木ヒルズそのものは確かにある種の造形美を見せているのであるが、その周囲の街並との調和がとれていないという感じがする。東京ほどの広さの都市になると、統一感というのはなかなか作り出しにくいものなのかもしれない。



改装なった東京駅とその背後の八重洲側のビル群。東京駅と背後のビル群はまあ調和しているといえるが、手前の何の役割をしているのかわからない不格好なキューブは取り去ってもらいたいものである。



丸の内界隈のビル群。ビルが高くなったせいか道路が狭く感じる。



東京中央郵便局の内部が(というよりはその背後が)しゃれたショッピングセンターになっている。右側が東京中央郵便局のビル。古いビルを利用しつつ新しいビルと組み合わせて新しい空間を作るというのはシンガポールでもよく見られる手法である。



その後森美術館に行くため六本木ヒルズを訪問。これは地下鉄六本木駅六本木ヒルズを結ぶエスカレーター。



六本木ヒルズ森タワーの52階に森美術館がある。同じ階には森アーツセンタ—ギャラリーがあって、いろいろなイベントを行っている。現在はハリー・ポッター展をおこなっており、子供を中心に大変な人気であり、入場待ちの長蛇の列が発生している。ハリー・ポッターブームは終わったかと思っていたが、まだまだ根強い人気のようである。



森美術館はその向かい側。こちらの方はそれほどの人出でもないようであるが、中は結構な混雑であった。



現在行っているのはLove展。愛に関係する古今東西のアートを集めたアート展示と理解すれば良い。とはいいながら近代以降に焦点を当てているようで、西洋でいえばダリ、シャガール以降のアート作品。日本ではアラーキーこと荒木経惟草間彌生に加えて初音ミクまでいわばなんでもあり。面白いけれども少し雑多な印象も受ける。もっともわかりやすいので、会場内は若い人たちを中心に大変にぎわっていた。