シンガポール通信ー国立台北大学訪問

先週木曜・金曜(12月20、21日)と、台湾の台北にある国立台北大学(National Taipei University: NTPU)を訪問した。同大学には8月までNUS、IDMIで私の同僚で研究員だったHooman Samaniが助教授として勤務している。将来のNUSとNTPUでの共同研究などの可能性を議論するために彼が招待してくれた。

台北は過去何度か国際会議や観光などで訪問した事があるが、NTPUの訪問は今回が初めてである。台湾では、国立台湾大学(National Taiwan University: NTU)が総合大学としては有名である。それに対して、NTPUはこれまでどちらかというと文系の強い大学であったが、理系を強化し総合大学としていこうという政府の意向により、現在理系の学部・学科を強化しており、それに伴い外部から教員・研究員の招聘を熱心に行っている。

Hooman(助教授なので本当はProf. Hooman Samaniと呼ばなければならないけれども、これまでの私達の関係で引き続きHoomanと呼ばせてもらう)はロボット関係の研究で成果を上げておりその関係でNUSの研究員からNTPUの助教授として招聘されたわけである。

私はメディアやヒューマンインタフェースが専門であるが、一時ロボット研究をやっていた関係で、今後彼も含めて彼の属する学科(Electrical and Computer Engineering: ECE)と共同研究を行ったり、また将来の研究方向に対するアドバイスを行う事などを期待されているようである。

ECE学科の学科長Prof.Chenを含め学科の主立った先生方との議論や、さらには学部長との議論を行い、ロボットやAIの分野で今後の共同研究の可能性が大きい事などを確認することが出来た。また、国際協力関係の部門の長や副学長とのミーティングなども設定され、短い時間であったけれども、成果の多い訪問であった。



台北国際空港の到着ロビー。東京・ソウル・香港・シンガポールなどの空港がハブ化を進めており、空港の近代化を積極的に図っているのに対して、台北国際空港は少し乗り遅れているようである。広さもそれほどではなくて、首都の国際空港というよりは地方都市の空港と行った雰囲気である。最近台湾政府もハブ化に乗り遅れている事に気付き、空港の近代化に取り組み始めたとの事である。



NTPUの法学部の建物の前で。これまで文系が強い大学だけあって、文系の建物は大変立派である。理系はこれから力を入れて行くということで、理系の建物容積が足りないらしい。そのため、理系の新しい建物の建設がこれから始まるとのことである。現時点では理系の先生方のオフィスは文系の建物の中に間借りしている。



建物の入り口には私を歓迎するプレートが用意されている。このようなものを用意するところはいかにも中国らしい。



私を招聘してくれた主な先生方と。右からECEの学科長Prof.Chen、私、A/Prof.Hooman Samani、Prof.Yang。記念写真を撮るという事でNTPUの帽子をかぶってNTPUのフラッグを持たされた(まあどちらかというと私の方が乗り気だったのだけれども)。これもいかにも中国的。



Hoomanのオフィスを訪問。個室を与えられ、机・椅子・書棚などの調度品はいずれも新品で豪華な作り。私のオフィスより見栄えがいいオフィスである。



ECEのおもだった学生達と。学生達はいずれもシャイであるが、純朴で人なつこい。かっての日本の学生達もこうだったのだと思ってしまう。



国際関係部門の長のProf.Shenとの記念写真。NTPUでも国際化は急務であり、海外からの教員の招聘、英語での授業の増加等を図っているとの事。この辺りは日本の大学と同様である。



これは研究担当副学長との会合での記念写真。ここでは外部の大学との連携の必要性を強調された。また企業との共同研究に関しても政府から求められているとの事。この辺りはシンガポールとよく似た状況である。ECEの学科長のProf.Chenは企業との共同研究の推進に熱心で、台湾最大の車メーカーと共同研究を開始しようとしている。その企業とのミーティングにも同行し、共同研究の可能性なども議論した(もっとも企業秘密に属するだろうから写真は載せられないけれども)。