シンガポール通信ーマレーシア、ランカウイ島での国際会議

1週間の出張からシンガポールに戻って、今日から再びマレーシア・ランカウイ島で行われている国際会議に参加している。出張ばかりしているようであるが、多くの研究者は同じように国際会議などへの参加のためにひんぱんに国内外に出張しているようである。

インターネットが普及し始めた頃に、将来ほとんどの国際会議やビジネス会議はネット上でのテレビ会議や電話会議などで置き換えられるであろうとの予測が多くの人によってされた事があったが、今の所そのような状況は生じていない。これは果たして過渡的な状況であり、もっと進んだテレビ会議技術が開発されれば出張しなくてすむことになるのだろうか。それともやはり、顔と顔を突き合わせて会議を行いたいというのは人間の基本的な欲求であって、将来にわたって出席者が現実空間で顔を合わせる会議というのはなくならないのだろうか。

顔を合わせた会議の重要性はいうまでもないが、同時に海外とくにアジアからアメリカもしくはヨーロッパへの出張が時間を要しかつ時差に苦しめられる事を考えると、これはなかなか答える事の困難な問題である。現時点ではあくまで直感的な答えしか出せないが、私自身は将来ともにテレビ会議・電話会議の使用はあくまで現実の会議を補う機能しか持たないのではと考えている。

ランカウイ島はマレーシアの東北に位置する島である。これまであまり観光客が訪れることの無い島であったが、最近マレーシア政府が観光資源としてのこの島に注目し、観光客誘致に力を入れ始めたとの事である。まだまだ観光地としての整備は進んでいないが徐々にマレーシア人の観光客は増え始めたとの事であり、今後は海外からの観光客の誘致に力を入れるとの事である。

空き時間を利用してランカウイ市の中心部を散策してみた。たしかにまだまだひなびた地方都市としての雰囲気が残っており、海外から観光客が押し寄せる観光地という雰囲気ではない。しかしそれはそれで東南アジアの地方都市のひなびた雰囲気を楽しむことができた。将来この島を訪れると、アジアの他の有名な観光地と同様に土産物屋がならぶありふれた観光地になってしまっている可能性もある事を考えると、現時点でこの島を訪問できる事が出来たのは幸運かもしれない。



ランカウイ国際空港の到着ロビー。いかにも地方空港という雰囲気である。



宿泊したランアウイベイビューホテル。会議もこのホテルで行われた。ホテルそのものは近代的な設備を備えた欧米風のホテルである。



到着後時間があったのでランカウイ市内を散策してみた。いかにも東南アジアの地方都市といったのんびりした雰囲気である。東南アジアのいずこの観光地も同じような雰囲気になりつつある現状からすると、このようなのんびりとした雰囲気が残っているのはいいものである。



少し足を伸ばして港へ行ってみた。これがまたいかにも漁村と行った雰囲気である。



久しぶりに会った研究者仲間と。私の右側はニュージーランドカンタベリー大学のビリングハースト教授。その右はマレーシア工科大学のスナー教授。



国際会議が始まるに際して出席者による記念撮影。イベントの際に出席者で記念写真を撮るというのはいかにもアジアの文化である。