シンガポール通信ー香港アートフェア

先週の週末18日から20日の間、香港で開催されているアートフェアを見学のため香港を訪れた。前回の報告でも書いたように、17日に日本でのミーティングのため往復とも深夜便で日本に出張し、18日朝にシンガポールに帰って来て少し仮眠し大学でミーティングを1つこなした後、夕方の便で香港に出かけた。

かなりの強行軍であり、私自身も大丈夫かなと思っていたが、なんとかこなす事ができた。多分片方はビジネスミーティングのための旅行であり、もう片方はアート鑑賞のための旅行という全く目的が違う旅行だったので、気持ちを切り替える事ができ、それが疲れが蓄積するのを妨げる効果があったのかもしれない。

香港アートフェアは昨年も参加したが、2008年から開催されているアートフェアである。アートフェアが単なるアート展と異なるのは、アートギャラリーが自分たちの扱っているアーティストの作品の展示・即売会を行う場であるという事である。アート作品の販売の場としては他にもアートオークションがあるが、オークションが高額のアート作品が販売される場であるのに対し、アートフェアではそれほど有名ではないアーティストの作品も販売されるため、手頃な価格のアート作品が展示されていることだろう。

他にも世界的に有名なアートフェア(ロンドンのフリーズ・アートフェアなど)があるが、香港アートフェアはそれらに並ぶ規模のアートフェアになりつつあるという。アジアでは他にもシンガポールのアートステージ・シンガポールが2年前から開催されており、香港アートフェアに並ぼうという意気込みであるが、まだまだ規模の点では香港アートフェアの方が先行しているといえるだろう。

私自身は技術畑の人間でアーティストではない。しかしながら、私のパートナーの土佐さんと共に日本およびシンガポールで会社を設立し、その会社の主なビジネスとしてアート作品の売買をしたいと考えているので、そのための勉強を主目的とした香港アートフェア参加である。



宿泊したホテルから見たビル群と道路。シンガポールとはまた違った雰囲気である。



アートフェア入り口を入ったところにでんと構えている草間弥生の作品。たしかに存在感がある。



午前中は招待者のみの入場なので、すいておりゆっくり見学できる。午前中がお目当てのアート作品購入を狙っているバイヤーが訪れる時間らしい。



お昼過ぎになると一般客が入ってくるのでだんだんと混んでくる。3時以降になると家族連れや地元の小学生・中学生がグループで訪れるので大変な混雑になる。



人の群れを上から写した写真。妙に立体感があるのでよく見ると、それぞれの人物の上に絵の具が重ねてあり、3次元的な写真の感覚を出している。



釘を使って作成した鳥の彫刻。金属的な物質感があってなかなかいい。ホテルのロビーなどに置くのにいいのではないだろうか。



シュールレアリスムと東洋の感覚を融合した作品。これも含めて全体的には、昨年あったようなともかく人の目を引きつけようという作品は減り、ある意味でオーソドックスで質の高い作品が増えつつあるという感覚を受けた。



この作品などはその中では、昨年のアートフェアの感覚を残している作品。不気味さとポップな感じが混じっていて良い作品と言えるが、一般の人が自分の家の室内に飾る気になるかどうかは問題。