シンガポール通信ー森村泰昌展
アートステージシンガポールと同時期に森村泰昌さんの個展がikkanギャラリーで開催されている。森村さんは、自分自身が毛沢東、ヒトラー、アインシュタインなどの有名人や、有名な絵画の人物などになりきった絵画・ビデオなどを制作する、いわゆるセフルポートレートというアートによって世界的に有名なアーティストである。
何かをまねすることがアートかという議論はある。しかし、人が何か自分でないものになりきることに快感を感じることは、有名なロジェ・カイヨワの遊びに関する著作でも明らかにされている。したがって、なりきることを追求することそのことは立派なアートである。
このことの意味は森村さんの著作「踏み外した芸術史」に詳しい。新書で気軽に読める本だけれども、それと共にアーティストがアートというものをいかに深く考えているかということを確認させられる本でもある。森村さんの文章が大変うまいことにも感心した記憶がある。
その森村さんがシンガポールで個展を行われるということで楽しみにしていたが、オープニングにikkanギャリーのオーナーの眞田一貫さんに招待されたので参加して来た。
鈴木シンガポール大使の挨拶。右側はikkanギャラリーの眞田一貫さん。
鈴木大使と一緒にアンディウォホールのセルフポートレートの前で。右側は土佐さん。