シンガポール通信ー文化庁メディア芸術祭

現在またまた帰国中である。今回は私の属する研究所IDMIと日本企業との共同研究を行うためのミーティングを日本企業数社と行うのが主な目的である。と同時に京都で文化庁メディア芸術祭が開催されており、そのうち京都芸術センターで開催されているアート展に土佐さんも出展しているので、週末の空いた時間に見学に訪れて見た。


京都芸術センターの正面。これはかって小学校だったところを、閉校になった際に京都市が買い取り芸術センターとして用いている。



二宮金次郎の像。かっての小学校・中学校の多くには二宮金次郎の像があったものであるが、現在ではほとんど見かけることはない。小学校が閉校になったのが約20年前なので、この像もおかげで生き残れたのではないだろうか。



入り口入ったところに展示してある土佐さんの作品。山水画象形文字マーライオンなどを加え少しポップにしたものをガラスに彫り込み、それを壁面に投影している。



同様に別の和室でも土佐さんの作品を展示してある。そういえば昔の小学校や中学校では和室の部屋があったものである。入り口を入ったところにオブジェが展示してある。これは「無」と言う文字をオブジェ化したものである。文字は書家のうどよし氏に書いて頂いたとのこと。



和室の中に入ると、床の間に最近の作であるディジタル掛け軸がかかっている。かつ床の間や畳の上には少し小振りの「無」のオブジェがいくつか置いてある。日本古来の和室と、メディアアートが融合した少し不思議な空間になっている。



これはカワクボリョウタ氏による「10番目の鑑賞<点・線・面>」という作品。光源を付けた鉄道模型がいろいろのオブジェが置いてある床面をゆっくり動いていく。それに伴い、オブジェの影が壁面に拡大して投影される。オブジェは、「積み木ブロック」であったり、「ざる」であったり、「洗濯はさみ」であったりと、私たちの日常生活ではおなじみの物である。それらの影が壁面に拡大されて投影されると、それが未来都市の建物であるかのような不思議な感覚を与えてくれる。土佐さんの作品もカワクボリョウタ氏の作品も今後のメディアアートの1つの方向を与えているような気がする。