シンガポール通信ーエンタテインメントの国際会議:ICEC2011

エンタテインメントに関する国際会議ICEC(International Conference on Entertainment Computing)の開催に毎年参画しているが、今年のICECはカナダのバンクーバーで10月5日から8日まで開催された。

参加者は100人〜150人の比較的小規模の国際会議であるが、エンタテインメント関係の研究に携わっている研究者達が毎年顔を合わせる場となっており、旧知の研究者に会う機会でもあり、毎年参加することにしている。

発表される論文の内容は、エンタテインメント技術に関係していればなんでもいいということになっているが、やはりどうしてもゲーム関係の技術に関する論文が多くなる。ということは、参加する研究者もエンタテインメント関係の技術を研究している研究者・技術者が多いということになる。

投稿された論文は、査読委員によって査読され、会議の目的との合致度や論文の質などによって、フルペーパー、ショートペーパー、ポスターという3種類の発表形式に分類される。(もちろんリジェクトされる論文も相当するあるわけであるが。)最近はゲーム関係の論文の投稿が多くなるので、査読委員もゲーム関係の研究者が多くなる。そうするとどうしても、ゲーム関係の論文が通りやすいことになってしまう。

私は最近エンタテインメントの歴史や東西文化とエンタテインメントの関係などに興味があるので、そのような論文を投稿したがポスター発表にされてしまった。やはりフルペーパートして参加者の前で30分程度の時間をかけて発表し皆の意見をもらうところに国際会議参加の面白さがあるので、少し残念ではある。

もちろん論文発表以外に、旧知の研究者と出会い意見や情報を交換することにも大きな意義と楽しさがある。論文発表をしない研究者も多数参加しているのは、むしろそちらの方に大きな意義を感じているからともいえるだろう。

というわけで、毎度のことではあるが、旧知の研究者仲間と毎晩のように飲み歩き、深夜まで議論し合うことになる。10月ともなればバンクーバーは寒いだろうと考え、冬用のコートを持って来たが、日中は特に必要としないほどの気温である。しかし朝晩はさすがに気温が冷え込み、薄手のコートを必要とする。

毎日の会議が終わると今日飲みに行く相手を決め、ホテルにコートを取りに戻ってからバンクーバーの街に皆で繰り出し、ホテルに戻ってくるのは深夜過ぎというのが会議中の日課のようになる。楽しいけれども同時に疲れる4日間である。


会議の参加者達。



アニメーションはゲームの開発者として著名なGlenn Entis氏による基調講演。



ポスター発表者達による自分のポスター発表の概要の説明。



4日間毎晩食べ歩き・飲み歩きをしたがこれはある夜の風景。右手前は将棋の研究で有名な北陸先端大の飯田先生。久しぶりの参加である。



会議の3日目はバンケットと称した全員参加のディナーがバンクーバー市外を見下ろすレストランで開催された。