シンガポール通信ーネット時代の新聞2

これらのニュース配信状況は、それぞれの新聞社のニュースのネット配信に対する姿勢を(現地派遣記者の取り組み方も含めて)反映しているようで、興味深い。

もう1つ興味深いのは、このネット検索結果に朝日新聞と日経の記事が含まれていない事である。例えば日経は11日朝のWebのトップページを見る限りは、この記事は載っていない。まさかこのような重大な事件を載せていない事はないだろうと思い、地域別の記事で欧州の記事を見るとやっとこの記事が載っているのが見つかった。


日経新聞の記事検索)
ポーランド大統領、事故死 (2010/4/11付)
ポーランド大統領ら全員死亡」 ロシア当局 (2010/4/10 18:28)
ポーランド大統領死亡か 搭乗機墜落 (2010/4/10 18:06)
ポーランド大統領搭乗機が墜落、87人死亡 (2010/4/10 17:07)
ポーランド大統領機が墜落 ロシア西部の空港付近 (2010/4/10 16:55)


これを見ると、日経も結構早い段階から頻繁に記事を配信している事がわかる。しかしトップページを見る限りでは、そのような事件をにおわす記事はまったくない。あくまで国内記事が中心である。これは朝日の場合もほぼ同様である。朝日新聞もこの飛行機事故の記事を配信しているが、トップページを見る限りではまったくその記事は見当たらない。

このことは、以下の事を示唆していないだろうか。一つはまだまだネット検索の技術は十分なものではないという事である。Googleで検索してみると検索結果は全く違った傾向になっている。まだまだ検索エンジンはそれぞれ癖を持っており、単純に検索結果を信用できるというわけではない。

もう1つは、上にも述べたがネット配信に対する各社の姿勢である。ニュースの速報性の重要性に関しては各社も認識しており、その対応もとっているようである。しかしながら、各社のトップページの構成に関してはまだまだ勉強が必要だと思われる。

私は、日経も朝日も日本では良く読んでいたし、シンガポールでも日系のスーパーに買い物に出かける際には買って読んでいる。それらの新聞の一面の構成と比較して、webの1面のレベルの低さはあきれるばかりである。低俗週刊誌と変わらないといったら言い過ぎだろうか。国内記事、かつ週刊誌的ニュースへの偏重はなんとかしてもらいたいものである。