シンガポール通信ー私の著書の感想3

『まだ読み終わっていませんので、きちんとしたことはいえませんが、アートとテクノロジーということや、コミュニケーション、エンターテインメントについての視野を広げる内容と思いました。』

私は音声処理や通信の分野の技術者なので、本来はエンタテインメントはもとよりアートは全くの門外漢です。ATR時代にたまたまアーティストやデザイナと共同研究する機会があり、アートはコミュニケーションである事に気づきました。同時に、その視点から見ると、多くのものがコミュニケーションとして考えることが出来る事にも気づきました。

その考えをベースとしていろいろな方面の事柄をコミュニケーションの観点から見てみようというのが、この本の基本的なスタンスです。

ブログにも書きましたが、京都嵐山吉兆の総料理長の徳岡さんと最近何度かパネルディスカッションでご一緒する気会があったのですが、徳岡さんが料理はお客さんと調理人のコミュニケーションであると喝破されたのを聞いて、なるほど料理もそうなのかと納得した次第です。


『縦書きの本となっていますので、読みやすくなっていますが、先生がまだ途中の考えというように述べているような部分がさらに整理されたり、分析されたりしてくると、アートアンドテクノロジーの学問分野の確立につながるような気がします。』

アートとテクノロジーの関係は、感性的指向と論理的指向という観点から見る事も出来ます。さらにはアートは当然文化的なものが深く関係して来ます。その意味で、最近は文化にも興味を持ち始めました。

今後は、コミュニケーションの視点をベーストしつつ、東洋と西洋の文化や、さらには文化の歴史的進展などについても考えてみようと思っております。