シンガポール通信ーシンガポールのカジノ2

さて、込み合っているのでギャンブルをするのは次回という事で今回は見学だけにしてカジノを後にした。カジノに隣接していくつかのホテルがこれもカジノのオープンにあわせてオープンしている。カジノからホテルは直結しているので、ホテルの見学も少しすることとした。

カジノからホテルへの連絡通路はホテルからカジノという別世界に行く雰囲気を出そうということで、 通路の作り、照明などいかにもそれらしい演出がしてある。テーマパークのアトラクションの入り口にこの手の演出がしてあるが、それをもっと大がかりにした感じである。


カジノからホテルへの連絡通路、テーマパークの雰囲気


これもまた、中国人特有の壮大さ、豪壮さが好きな国民性が出ているようである。テーマパークはともかく、最近のホテルは しゃれた雰囲気、エスタブリッシュされた雰囲気を出すというのが世界的傾向だと思うが、いまだに中国は壮大さ、豪華さを出す事が好きなようである。そういえば北京や上海の大型ホテルはいずれもそのような作りになっている。

2月に京都大学で行われた文化とコンピューティングに関する国際会議で行われたセッションで、嵐山吉兆の料理長の徳岡さんという方と知り合いになり、近々シンガポールセントーサ島に支店を出すと聞いていたので、それを探してみると、案内地図にクロックフォーズ・タワーホテルの2階にTokuokaというホテルがある。早速行ってみたが、ホテルの入り口でホテルマンに止められてしまった。

宿泊客かどうか、レストランを利用するのかなどを聞いてくる。全室スイートで、宿泊客にはそれぞれ専用のアテンダントがつくのだそうである。単なる見学のお客は入場させないという事らしい。レストランTokuokaは4月からの開店とのことなので、じゃあ準備状況などを見たいと行っても頑として入れてくれない。まあ、冷やかし半分の観光客が大半であろうから、ホテルの雰囲気を保つためにも単なる見学客は入れないというものわかる気もするが。

嵐山吉兆はご存知のようにミシュランの三ツ星をとったレストランであり、今回が初の海外進出という事である。日本であると一人3、4万円はかかると聞いているが、さすがにシンガポールではその値段では多くの客を集める事はできないだろう。どのような価格設定になるのかも興味があるので開店したらぜひ行っていたい。

さて、ホテルに入れてくれないので、あきらめてホテルの前の広場に出ると、広場を取り囲んでいくつかのホテルが建ち並んでいる。広場を囲んだホテルの1階がレストランや高級ショッピング店になっているが、まだオープンしていない店も多い。そして広場の地下がカジノという作りである。ともかくもカジノがオープンしたので、まだ未完成な部分も多いが全体としてオープンして客を呼び込もうという魂胆のようである。


ホテル前の広場

ホテル前の広場からホテルを見る、後方にマーライオン像が見える


広場のホテルと反対側はユニバーサルスタジオである。あのおなじみの地球儀をかたどったユニバーサル映画のロゴのオブジェが設置してある。時間も遅いので今日は既に閉館のようである。ユニバーサルスタジオは本家のロサンゼルスは何度も行ったし大阪のUSJも行った事があるので、まあ今更という気もするが、新しいアトラクションもあるだろうから、次回はチェックしてみたい。


おなじみのユニバーサル映画のロゴのオブジェ


広場にも客はいるのだが、やはり大半はカジノに集まっているようである。ルーレット、ブラックジャック、スロットマシンはゲームとして見たらいずれも単純きわまりないゲームであるが(ブラックジャックはお客とディーラとの駆け引きという面も持っているが)、なぜこれだけ人を引きつけるのだろう。

いいかえればギャンブルの魅力は何だろう。もちろん金をかけるからだという単純な説明は説得力を持っているが、それなら金をかけるとなぜ人は単純なゲームに夢中になるのかという事を説明する必要がある。私が最近出版した本でも少しその事には触れているが、ギャンブルの魅力についてはまた別に考えてみたい。