シンガポール通信−リー・クアンユーの国葬3


いよいよ国葬の始まり。最初に現首相でリー・クアンユーの息子であるリー・シェンロンがリー・クアンユーの棺に最敬礼。まさに90度の最敬礼であり、日本と共通するアジア文化を感じる。



現首相リー・シェンロンによるリー・クアンユーの追悼演説。リー・シェンロンの演説上手は有名である。リー・クアンユーの功績の褒め讃えるだけではなく、彼の息子として見たリー・クアンユーの日常の素顔も交えながら約1時間の演説は聞いていて飽きない。さらに肝心の部分はマレーシア語、中国語で繰り返すことによって、シンガポールに多く在住するマレー系の人々、中華系の人々に訴える事も忘れない。



次は現大統領のトニー・タンの追悼演説。決して悪い演説ではないが、リー・シェンロンの演説の後では抽象的に聞こえて残念ながら飽きてしまう。



続いて第2代目の首相である、ゴー・トクチョンによる追悼演説。この人の演説も残念ながら少々抽象的に過ぎる。リー・クアンユーの政治や日常を間近に見ていただろうから、もっとリー・クアンユーのエピソードなどを話してくれればいいのにと思ってしまう。



この女性はごく普通のシンガポール市民。シンガポールでは国葬などの国家的な行事の際にもごく普通のシンガポール人にスピーチをさせることによって、一般市民と国家との距離を短くする政策をずっと取って来た。一般市民から見たリー・クアンユーに対する印象・思いは多くの一般市民に訴えるものがあるのだろう。



そして最後にリー・クアンユーの末息子(つまりリー・シェンロンの弟)による弔辞と参加者への挨拶。リー・シェンロンに似て演説上手で政治家としてではない子供から見た父親としてのリー・クアンユーを示してくれて、なかなか感動的なスピーチであった。



そして最後に儀杖兵によるラッパと共に1分間の黙祷を捧げて国葬が終了する.世界各国から多くの首脳級の人々が参列しているが、あくまでもシンガポールの内輪の国葬を貫く所はさすがである。



国葬の終了後テレビが元米国大統領ビル・クリントンにインタビューしていた。



同様にこれはブータンの国王へのインタビュー。ブータン国王は日本にも来たことがあるが若いのになかなか思慮に富んだ印象で、インタビューにも無難な受け答えをしていた。